低フォドマップ食学会
会長 宇野良治、医師、医学博士




1.jpg







 

なぜか、

 

私に世界中の医学雑誌編集者から、

 

ピロリ菌問題についてのオファーが次々と来ています。

私が過去に記した論文の通りになってきたためのようです。


 

さて、

 

今、世界で何が起こっているのか?

 

ご存じですか?

 

ピロリ菌を失った国で、

 

若い女性に胃癌が増加しているのです。

 

 

この問題のきっかけは、以前にこのコラムでも紹介しましたが、

 

2018年に、米国の国立がんセンターの驚くべき報告でした。

 

18年間で総数44億人の米国のガン登録データーが分析され、

 

13万7千の胃癌(非噴門部癌)が検出されました。

 

男女別、年齢層別で年次の増加を調査したところ、

 

65歳以上の高齢者では胃癌が減少していましたが、

 

36歳以下の女性で胃癌が急増していたのです。


2.jpg

 

 

Anderson WF, et al. The changing face of noncardia gastric cancer incidence among US non-hispanic whites. J Natl Cancer Inst. 2018 Jun 1;110(6):608-615. doi: 10.1093/jnci/djx262.

 

 
ピロリ菌を失った集団で、これまでの常識では考えられない異常が起こっているのです。

これについて、米国の国立がんセンターの著者らは以下のように述べています。

 

集団ベースのピロリ菌除菌が胃癌予防のために提案されているが、このアプローチには賛否両論がある。安全性と有効性に関する未解決の問題には、ピロリ菌や他の病原体における抗生物質耐性の悪化、胃食道接合部腺癌や自己免疫疾患の増加の可能性などがある。ピロリ菌の意図的(あるいは非意図的)除菌は、非噴門部癌のリスクを増加させる予期せぬ結果をもたらす可能性もある。我々の知見は、大量除菌が胃癌の負担を軽減できないかもしれないという新たな注意を強調している。

 

つまり、米国がんセンターの研究者は、

 

集団的ピロリ菌除菌の危険性を警告したのです。

 

 


 

その翌年の2019年、ポーランドから、1835歳の女性の胃癌では、

 

半数がステージIVであり、発見から死亡までの期間は半年以下であると報告されました。

 

Zaręba KP, et al. Stomach cancer in young people – a diagnostic and therapeutic problem.Prz Gastroenterol. 2019; 14(4): 283–285.

doi: 10.5114/pg.2019.90254



日本で、これ以上ピロリ菌除菌をしないように、

ピロリ菌除菌は自由診療の自費うにするようにするように、

保険診療から撤廃すべきだと思います。