宇野良治、医師、医学博士
「低フォドマップ食」商標権者(特許庁)





私が医学生だった頃は、「正常な人間の腹部X線写真には小腸ガスはない」

と教わりました。


ところが、今、健康診断の胸部レントゲン写真の下の方に、

多くの小腸ガスがみられるようになりました。


簡単に言うと、小腸内菌増殖症(SIBO)が急増していると感じています。



SIBOは、IBSの原因です。


メタアナライシスの研究では、IBSの31%にSIBOが存在すると報告されました。

(Am J Gastro. 115; 190-201: 2020)

 
さらに、SIBOであれば、クローン病が11倍、潰瘍性大腸炎が8倍増加する可能性があります。

(APT 49; 624-635:2019)


日本では潰瘍性大腸炎やクローン病はが指数関数並みに急増加しており、

つまり、今後さらに、医療費の増加により国民の税金が失われてゆくばかりではなく、

将来的に働くことのできない若者が増加してゆく可能性があります。

それを阻止するには、

とにかく、SIBOを防がねばならないのです。



気になることがあるります。



宝島新書にも記したが、

腸内のビフィズス菌は世界中で日本人が一番多いということです。


一昔前は、ビフィズス菌はIBSに有効だと言われていました。

実際に、米国からビフィズス菌(ビフィズス菌 インファンティス 35624)

IBSに有効であるという記事がネットで出ています。


https://www.optibacprobiotics.com/professionals/probiotics-database/bifidobacterium/bifidobacterium-infantis/bifidobacterium-infantis-35624



このような報告があるのだから、

大腸でビフィズス菌を増やそうとして、

私自身、ビフィズス菌を買って飲んでみましたが、

小腸ガスが著しく増加し、腹痛を生じました。

つまり、私はSIBO因子のあるIBSだと思います。


では、

ビフィズス菌を飲むとSIBOになるのか?

ということですが、

2018年のテンプル大学からの研究で、

ビフィズス菌を健康のために飲んだ場合、

健康な人であっても、

水素ガスは増えないが、メタンガスがSIBO並みに増加すると報告されています。


Dig Dis Sci. 2018 Apr;63(4):989-995. 


図1


もしかしたら、短期間では一過性のガス増加にすぎず、

何人かは便通が改善するケースが本当にあるかもしれませんが、

数十年単位の長期的なスパンで小腸ガスが増加したままであれば、

IBSやクローン病を誘発するかもしれません。


つまり、このような物質が本当に無害なのかは、

長期的な人間への影響が全くないという証明が必要だと思うのです。


しかし、今後も、この話は「藪の中」になるでしょう。