宇野良治、医師、医学博士





子供の学校入学の親面接で、コロナのPCR陰性証明が必要だという事で、

昨日の雪の中、何時間もかけてPCR検査所にやっと着いた。

私自身、抗原検査は何度もしたが、PCR検査は初めてであった。

身分証明書だけ持っていけばいいということだった。

そこに、私服を着た背の高い薄毛の50くらいの男がいた。

「検査?」

「はい」

「メールの返信見せて?」

「パソコンのメールに返信来たので、今持ってません」

「えっ?ないの?予約はしたんだね。じゃあ、

QRコード取り込んで入力して、これも書いて」

「えーと、これはどうやって入力するんですか?」

「自分でやって!手伝わないよ!」

まるで、喧嘩腰である。

ここで、私はキレたのであるが、

子供のためと思って我慢して、ネネに電話して確認しながら、スマホで入力した。


その態度の悪い男は「先生」と呼ばれていたので、医者か?

見かけ上、私の方が年下と思って『バカな若者』として命令しているのか?

そこには、検査の女性が1人いて、

その人に聞こうとすると、

その男は、オラオラ何やってんだというように不快な態度をしたが、

最終的にその女性に確認して記入で来きた。

検査には、私以外にどんどん来たが、すべて2回目以上のようで、

みんなスムーズに記入していたため、初めてで、たまたま、おたおたしている私が、

イジメにあったという状況とわかった。

唾液の検査だったが、交感神経がたかぶっていたため、

唾液が出ない!

泡だけだった。

「泡じゃだめ、これじゃ10分の1、だめ!」

結局、唾液を採取するだけで10分以上かかった。



その状況は確かに酷かったためかどうかわからないが、

検査の女性が急に、

「先生、私、やめます。」

といい出した。

「なんで?ほんとにやめんの?」

状況を悟ったのか、その後、男は急にみんなに優しくなり、

来た人におべっかまで使っていた。


そして、私にまで

「4週したら、また、検査できますからね」

と微笑んで言った。



急に女性が辞めると言い出した展開は、

ノンフィクションのリアルでしか経験できないドラマであるに違いない、



確かに、あの寒い雪の中で、あのような仕事をしているのも気の毒だとも思った。

つまり、自分が非常に辛い状況では、

もしかしたら、私も、気がつかずに、

この医師のように他人に当たり散らすような

態度をしていたことがあったかもしれない。

『反面教師というより、反面医師だな・・・』


でも、いつもの私だったら、

無言で帰っていたに違いない。


『パパ、頑張ったよ』と心で言った。