宇野良治
昨日は、午前午後で90人ほどの診察をしたけど、
その間に時間があれば、
看護師の採血手技を見にいった。
採血をしているナースに、
「どうしたんですか?」と言われ、
「今度の職場で、オレが採血することもあるらしいけど、
しばらく、やっていないんで、見にきたのー」
と言う。
ずっと内視鏡ばかりしていたが、
前回、沖縄で働いていた時は、
目に見えない、触ることもできない太い静脈(鎖骨下、鼠経)に太いCVカテーテルを
毎日のように入れていたが、
末梢血管の採血をやっていたのは、大学病院の頃だったので、
自信がなかったのだ。
そのため、自分で持っている10年以上前の注射針で、
自分の左手の練習したが、うまく静脈に入らす、
左手の甲が何か所も怪しく皮下出血のアオタンだらけである。
痛みすら、感じなくなった。
特に、
現在の真空シリンジでの採血をしたことがなかった。

「これどうすんの?どうやって入れるの?」
と言う質問に、
「先生、右利きですよね」
と確認した後、「途中までシリンジを入れて、置いて、
右手で針を刺して血管に入ったら、左手で針を押さえて、右手で、
シリンジを押すと血液が溜まります」
と教えてくれた。利き手でない左手で操作するとシリンジが滑ることがあるらしい。
「でも、自分の手で練習しても、針が
そこにみんなが、
自分の腕を出した。
「これ使って下さい」
(この後の詳細は小説で書く予定、想像してください・・・・)
たぶん、もう大丈夫。
でも、みんな楽しそうに笑って協力してくれた。
特に、Sさん、本当にありがとう。
”正真正銘の無垢のやさしさ”を感じました。
右手の感触、一生忘れないでしょう。
そして、私の背の方で誰かが言った言葉、
後で、独りになって、思い出して、
泣いた・・・・・
「先生に辞めて欲しくなんですけど、
でも、新しい所でも頑張って欲しいんす」
独り、ひきつって、無言で泣いた・・・・
家に帰り、
ネネに話したら、
「よかったね、よかったね」と、
ティッシュで涙を押さえていた。