日本低フォドマップ食推進会
会長 宇野良治、医師、医学博士
2022年3月25日、午後10時からおこなわれた第3回ズーム会議は、
11時30分までの1時間半 を要しました。
幹部の皆様、ご苦労様でした。

わたし、最近思うのですが、私自身の話が長くなっています。
単に加齢のせいではなく、すごく粘着気質が強くなってきている感じがします。
そのわりに、質問されても、すぐ答えられなくなることもあります。
「短鎖脂肪酸のなかで、酢酸とプロピオン酸が腸粘膜の透過性を亢進させるのはなぜか?」
という、昨日の四国支部長の質問に、すぐ答えられませんした。
「それについては、東北大学の見解です」
としか言えませんでした。
これについては、
2018年「別冊・医学の歩み」の「腸内細菌と臨床医学」
福土審教授の「過敏性腸症候群における腸内細菌の役割」p52
で、次のように書かれています。
「Alispes、Bacteroides、Veillonellaなどにより酢酸、プロピオン酸が過剰産生されると、
接着因子の発現低下と粘液産生低下が生じ、続いて粘膜透過性が亢進して、病的状態となる[1]。
著者らの研究[2]におては、IBS患者では、LactobacillusならびにVeillonellaが多く、
酢酸、プロピオン酸が増加しており、このモデルによく一致している。」
文献:1) Brown CT, et al. PLoS One 2011;6:e25792.
2) Tana, et al. Neurogastroenterol. Motil 2012;22:512-9.
文献1)には次のように書かれています。
「症例におけるプレボテラとアッケルマンシアの相対的な欠如は、症例の腸の上皮層にムチンが不足していることを示唆しており、将来または現在の腸透過性亢進となる可能性があります。さらに、症例には、対照と比較して、バクテロイデス、ベイロネラ、アリスティペスなどの細菌の集団がはるかに多くなっています。これらの細菌はブドウ糖と乳酸塩を発酵させてプロピオン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩にします。酪酸とは異なり、これらの短鎖脂肪酸はムチン合成を誘発しません。
乳酸産生菌は腸の健康を維持する上で非常に重要かもしれませんが、これらの細菌によって産生される乳酸の運命も同様に重要かもしれません。その運命が酪酸の生産である場合、健康な腸はより可能性が高いようです。(しかし)腸の微生物叢が他の短鎖脂肪酸の生成を促進する場合、腸透過性が発生する可能性があります。症例に見られる大量の接着遺伝子など、他の要因も腸の炎症に関与している可能性があります。」
この論文は、米国フロリダ大学とフィンランドのヘルシンキ大学などの多数の研究者が著者です。
つまり、国際的に、さらに日本のIBSの権威によって、短鎖脂肪酸は単に善玉ではなく、
状況に応じて、腸の防御機能を低下させ、腸粘膜の透過性を亢進させ、
炎症を引き起こすことがあるということがコンセンサスになってるということです。