日本低フォドマップ食推進会
会長 宇野良治、医師、医学博士
Dysbiosis; ディスバイオオーシス; 腸内毒素症
についての新しい考え方は、
多様性の重視である。



昭和の考え方は、全く逆であり、
ある特定の商品化された菌を有することが健康であり、
それ以外の菌が増殖することを悪としていた。

多様性を否定し、
都合の良い優秀を意図的に規定し、
それ以外を排除するという、いかにも昭和的な発想である。
しかし、
これは、1000の培養を一度に行っても、
全菌種の0.1%しか培養できなかった時代だったので仕方ない。

しかし、16S rRNAで同時にほとんどすべての菌種を同定できるようになってから、
伝染病菌のような病原菌でない限り、数種類の菌種で良い悪いを決定するのではなく、
健康のサンプの割合の多様性から、どれだけ多様性が失われているかで評価され、
病気の状態の腸内細菌全体の隔たりが大ききく、
特異的な菌種集団の増殖のある場合をDysibiosisと判断される。
細菌は、門、網、目、科、属に分類されるが、
もっともざっくりした分類の門では、
国際間では、若干の違いはあるが、
健康者では、フェルミクテス門、バクテロデス門、アクノバクテリア門が
日本人では多い。
たとえば、2021年のウクライナの研究報告では、
腸内細菌叢の門レベルは、日本人と類似しているが、
門レベルでは、年齢にによる腸内細菌の変化はほとんどない。

このような事実は、腸内細菌叢を一度にすべて検索出来るようになったから報告された。
(つまり、昭和の培養法の研究では、培養する菌種の選択で、培地の操作で、
いかなる結果も意図的に誘導出来たのである。)
現代のDysbiosisは、たとえば、下のBが健常者の腸内細菌叢とすれば、
Cが、Dysbiosisとなる。

追加するが、
私が、重要視しているのは、単なる種類の多様性だけではなく、
人間の腸内細菌では、発酵の機能が菌種によって異なるので、
機能の多様性の偏りの重要性である。
つまり、腸内細菌叢で多様性を論ずる時は、
3次元で評価すべきだと考えている。
具体的には、
門から属の分類、
グラム陰性・陽性、
発酵能力(発酵物質、ガス産生能・ガスの種類など)である。
