宇野良治、医師、医学博士
2004年、台湾と中国の間にある馬祖島の住民に対し、一斉にピロリ菌除菌が行われ、その後住民の胃癌発生について経過観察されている。これをstudy on Matsu Islands と呼ばれている。除菌後から20⒙年まで6回の集団検診が行われ、85.5%の住民がカバーされた。この島の住人のピロリ菌陽性率は64.2%と高く、胃癌死亡者数も多かったが、除菌によって陽性率は15%にまで低下し、胃癌による死亡率の低下が確認されているが、死亡率の低下は厳重に管理されていることが影響している可能性が高い。除菌から数年後、胃炎の重症度は大幅に低下したが、新たに萎縮性に見えない粘膜に広範囲の前癌病変または胃癌が頻繁に発生したという。
除菌によって、発生しる胃癌の形態が変化することで、
胃癌を発見しにくくなり、5年目を過ぎてから胃癌が増加すると、以前に私が論文で書いたが、
そのようなことが起こってきている可能性が示唆されている。、
この研究の論文で気になる図がある。
彼らが考察した食事と胃がんの関係の図である。
Jean Ching-Yuan Fann,
Tsung-Hsien Chiang, Amy Ming-Fang Yen, Yi-Chia Lee, Ming-Shiang Wu, Hsiu-Hsi
Chen
Personalized risk assessment
for dynamic transition of gastric neoplasms
J Biomed Sci. 2018 Nov
19;25(1):84.
漬物を多く摂取すると胃癌になるルートが促進されるいうのである。
台湾の漬物は、白菜と乳酸菌でできている。
つまり、乳酸菌の因果関係か?
漬物で使用される白菜は硝酸塩が多いので、その影響もあるか?
また、塩分制限も記されており、
この島の人々の胃癌が減ったのは、
純粋にピロリ菌除菌によるものではなく、
このような食事指導が影響している可能性がある。
もしそうであれば、
そのような指導をしていない日本の除菌後の人々は、
この島の人々のような好成績は得られないかもしれない。
漬物について中国語で検索すると以下の文章がある。
http://www.wulannews.com/system/2017/08/23/012393369.shtml
では、漬物を食べるとどれだけ胃癌が増えるのか?
中国本土からの29の研究、日本からの13、韓国からの6、台湾からの1つの研究では、
オッズ比は1.52であった。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22499775/
でもやはり、食べる量に依存していて、1日180g食べると2倍くらい胃癌が増えるようですある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC7225928/
