宇野良治、医師、医学博士
毎日、アルコールを摂取しているアナタは、
新型コロナに感染すると、
重症化する可能性が高いかもしれません。
実は、2020年7月に、
アルコール依存症(慢性アルコール乱用)で、
ARDS(急性呼吸窮迫症候群)が大幅に増加するることが報告されていました。
ARDSのリスク:オッズ比=1.89
ICUに入るリスク:オッズ比=1.63
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/add.15194
その理由は、アルコールが、肺胞上皮機能障害、アルコール誘発性酸化ストレス、肺胞マクロファージ機能の干渉など、さまざまなメカニズムを通じてARDSを発症するリスクを高めるため、さらに、慢性的なアルコール摂取は、気道に繊毛機能障害を引き起こし、細菌やウイルスを除去する能力を低下させると説明されています。
Simet S. M., Sisson J. H. Alcohol's effects on lung health and immunity. Alcohol Res 2015; 37: 199–208.
(日本政府がアルコール規制をしたのは、これが理由かもしれません)
さらに、今年の6月に、
デンマークから飲酒量とコロナの重症化について具体的な論文が出ていましたが、
公開しにくい状況であったので、書きませんでした。
https://www.atsjournals.org/doi/pdf/10.1513/AnnalsATS.202008-988RL
Alcohol
Consumption and the Risk of Acute Respiratory Distress Syndrome in COVID-19
Mats Christian
Højbjerg Lassen, et al.
AnnalsATS Volume 18 Number 6 | June 2021
今、日本では、コロナが落ち着いているように思われていますが、
どんどん重症化のポテンシャルが高まっている懸念があり、
今後のために書いておきます。
下の図を解説します。
新型コロナに感染して入院した場合、
ARDSになる確率を示しています。

横軸は、アルコール12g を1単位として、1週間に飲むアルコールの単位を示します。
(デンマークでは12gが1単位ですが、米国では10gが1単位です)
縦軸は、ARDS発症確率です。
1週間に30単位、つまり360g(1日51g)飲むと半分以上が重症化するという意味です。
ワイングラス1杯のワインが12gなので、
51÷12≒4なので1日4杯飲んでいれば、重症化の確立が50%です。
ビール500mlはアルコール20gなので、
51÷20=2.6缶
つまり、500mlのビール3缶を毎日飲んでいれば、
50%以上の確率で人工呼吸器につながれることになります。
この研究結果は、
未成年と小児に重症化がほとんどないという事実と矛盾しません。
今、アナタができることは何ですか?
我々が今、今後も、何をすべきか?
どのように生活すべきか?
あらためて、ひとりひとりが、考える必要があるかもしれません。
私は、いろいろ理由をつけて、自分自身を説得して飲酒をやめました。