宇野良治、医師、医学博士

 



 

 

やはり、

 

検診・健診の仕事をしていると、

 

BMIが低く、痩せている人が気になってしまう。

 

 

そこで、「痩せている人が死にやすい」というデータをしめすために、

 

過去に書いた以下の記事を振り返った。

 

 

20210411

働けない!小心症候群


を書いた時、

 

最後のデータが気になっていた。

 

「本当なのか?」

 

そして、記事に貼り付けた図の元のデータを検索したが、削除されていた。

 

そのため、きちんと論文を読んで、

 

自分でグラフを作成してみた。

 

Body mass index and mortality from all causes and major causes in Japanese: results of a pooled analysis of 7 large-scale cohort studies.

Sasazuki S, Inoue M, Tsuji I, Sugawara Y, Tamakoshi A, Matsuo K, Wakai K, Nagata C, Tanaka K, Mizoue T, Tsugane S; Research Group for the Development and Evaluation of Cancer Prevention Strategies in Japan.

J Epidemiol. 2011;21(6):417-30. doi: 10.2188/jea.je20100180. Epub 2011 Sep 10.

 

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BMI
2324.9の死亡率を1とすると、

 

BMI19未満では10年ちょっとの間に1.5倍以上死亡するということである。

 

太っている場合は、BMI30以上でなければ、死亡しやすいとは言えない。

BMI29.9以下であれば、太っていてもほとんど問題はない。

 
(ということで、今日はラーメン炒飯)

 

この論文は2011年に報告されたが、

 

35万人の日本人の集計であり、1割が35歳以上、9割が40歳以上の集団で、

 

東北、九州、中部の各地域の人々の10年以上の経過の集計である。

 


このデータは、2008年から始まったメタボ健診の正当性を語るために、

 

主にBMIが多いと病気になって死亡しやすいという証拠として使用された。

 

つまり、メタボ健診のプロパガンダのために、

 

最も死亡しやすい「痩せている人」は、ほとんど無視されたようである。

 

その理由については、このデータは中高年であり、

 

痩せている人は、そもそも何らかの基礎疾患を有している可能性があり、

 

それら集団の死亡数にはバイアスがあるのではいかというのが理由のようである。

 

しかし、肥満者も高血圧や糖尿病を有していいるであろうし、

基礎疾患の率は高いに違いないし、

もし疾患があるのであれば、そして、その病気が明らかとなっていないのであれば、

 

それをスクリーニングするのは検診・健診の義務であろう。

 

 

 

では、40歳以下の場合はどうであろうか?

 

これについては、スイスのデータがある。

 

BMC Public Health. 2014 Apr 16;14:371. doi: 10.1186/1471-2458-14-371.

Mortality risk associated with underweight: a census-linked cohort of 31,578 individuals with up to 32 years of follow-up

Lucienne Roh, Julia Braun, Arnaud Chiolero, Matthias Bopp, Sabine Rohrmann, David Faeh 1, Swiss National Cohort Study Group

 

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このデータでも、46歳以上ではBMIが18.5未満では1.5倍死にやすい。

 

しかし、25歳から45歳まででは、18.5未満は1.2倍程度であるが、

 

BMI30以上のほうが死亡リスク1.4倍と高い。

 

以上から、若い人では、高度の痩せばかりではなく、肥満にも注意が必要である。

 

 


子供も大人も、痩せと肥満の両方、感染リスクが高いことに注意したい。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28232162/