宇野良治、医師、医学博士

 


 いべる

 不適切な使用は「入院を必要とする深刻な副作用を引き起こす可能性がある」と彼らは述べた。







TVのワイドショーでは、新型コロナの話になるとよく出てくる薬が「イベルメクチン」である。

希望の薬として、「はやく日本での承認を!」

というコメンテーターが多かった。



しかし、今週、世界のネットでは、

「イベルメクチン」に対する風向きが変わった。

たといえば、グーグル検索では、

 

「科学的根拠なし」という言葉が多いことに気が付く。

 

その代表的な記事は以下である。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/32314040f7730b6d5daf0146c17a0dc73d90d4c5

イベルメクチン個人輸入に警鐘「科学的根拠ない

2021/10/17 産経新聞

新型コロナウイルスの感染予防や治療を目的に、国内で承認されていない抗寄生虫薬「イベルメクチン」を海外から個人輸入して使用する動きが広がっている。イベルメクチンは東京都医師会が使用許可を認めるよう求めたことで注目を集めたが、国内外の臨床試験で有効性は明らかになっていない。専門家は「個人輸入での服用はしないように」と警鐘を鳴らしている。 「コロナに対する効果で話題沸騰!不安払拭で売れてます!」。インターネット上の医薬品輸入代行サイトは、このようなうたい文句でイベルメクチンを紹介している。 イベルメクチンは試験管レベルの研究で、新型コロナウイルスの増殖を抑制する結果が示され、関心を集めた。国内外で有効性や安全性を検討する試験や研究が続いているが、明確な効果は示されていない。 新型コロナ感染症には「軽症者向け飲み薬」がなく、ワクチン接種の代わりとして、歴史がある錠剤への期待が高まったとみられる。一方、イベルメクチンを製造する米メルクは経口薬を開発中で、年内の実用化が視野に入っている。 イベルメクチンは、国内でダニの一種が原因の皮膚病「疥癬(かいせん)」などの治療薬として承認され、服用回数は「2週間の間隔で2回」や「1回」。ただ、輸入代行業者は販売サイトで新型コロナの感染予防や早期治療のため、用量・用法を上回る「服用手順」を記載している。添付文書によると、高齢者や子供、妊婦への投与は安全性が確立しておらず、重大な副作用として意識障害の懸念もある。 メルクは今年2月、新型コロナ感染症に対し、「治療効果を示す科学的な根拠は示されていない」とする声明を発表。世界保健機関(WHO)は3月、死亡率の低下や回復を早める科学的根拠は極めて不確実と指摘し、服用は臨床試験に限定するよう求めた。 国内では適応外使用として一部の医師が新型コロナ患者に処方しているとされるが、厚生労働省の「診療の手引き」では有効性・安全性が確立していないと強調、「最新の解析で軽症患者における入院期間やウイルス消失時間を改善させなかったと報告されている」としている。 このような状況の中、東京都医師会の尾崎治夫会長が8月中旬の記者会見で、イベルメクチンを住民に投与するアフリカ諸国では新型コロナ感染者や死者が少ないなどとして、第5波の状況下で「使用許可を認めてもいい段階だと思う」と強調した。 医療現場でも使用をめぐり意見が割れる。「患者から『何でもいいので薬を』といわれることもある」との声がある一方で、「科学的根拠に基づく最善の治療をすべきだ。重症化予防にはワクチンがある」と否定的な医師もいる。厚労省に対策を助言する専門家組織の脇田隆字・国立感染症研究所長は9月、「個人(の判断)での服用や予防薬としての服用はしない方がよい」と強調した。



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イベルメクチン、 誤った科学が生んだ新型ウイルス「特効薬

2021/10/9   BBC

 

アメリカ、イギリス、欧州連合(EU)の保健当局はイベルメクチンについて、COVID-19対策として使用するには十分な証拠がないと判断した。しかし、何千人ものイベルメクチン支持者(その多くは反ワクチン活動家)は、この薬の使用を求めて精力的なキャンペーンを続けている。

ソーシャルメディアに作られたグループの中では、メンバーがイベルメクチンの入手方法を交換し合ったり、動物用のイベルメクチンの使用さえも推奨している。

研究に対する強い信念に基づく、イベルメクチンの過剰な売り込みにより、世界中の多くの人々がイベルメクチンを使用するよう駆り立てられている。

イベルメクチン推進派は、多数の科学的研究を引用し、こうした証拠が無視あるいは隠蔽(いんぺい)されていると主張することが多い。しかし、独立した科学者グループの評価では、研究結果に大きな疑問が投げかけられている。

BBCの取材では、COVID-19治療薬としてのイベルメクチンの使用に関する主要な治験26件のうち、3分の1以上について、深刻な誤りや不正行為があった可能性があることが明らかになった。それ以外の治験では、イベルメクチンの有効性を示す説得力のある証拠は得られていない。

こうした研究を調べる調査グループのメンバーの1人、カイル・シェルドリック博士は、イベルメクチンがCOVID-19による死を防ぐことが示されたと主張する臨床試験の中に、「明らかな捏造(ねつぞう)の兆候あるいは研究を無効にするほどの重大な誤り」を含まないものは「1つもなかった」と述べた。

イベルメクチンの有効性を主張する治験に含まれる主な問題点は次の通り。

·        同一の患者のデータが、別人とみられる人々に対して複数回使用されている

·        治験グループに参加する患者が無作為に選ばれていなかったことを示す証拠がある

·        自然には起こりえない数字が含まれる

·        誤って算出されたパーセンテージが含まれる

·        各研究が行われた地域の保健機関が研究を把握していなかった


調査グループの科学者、ギデオン・マイヤーオウィッツ・カッツ博士、ジェイムズ・ヘザース博士、ニック・ブラウン博士、シェルドリック博士はそれぞれ、信用できない科学研究を暴いてきた実績がある。4人はパンデミックの最中、非公式かつ自発的に、遠隔で共に調査にあたっている。

4人は、生物医学生ジャック・ローレンス氏がエジプトで行われた影響力のある研究に問題があることを発見した後、イベルメクチンの研究を詳しく調査するグループを結成した。この研究には、治験開始前に死亡した患者のデータが含まれているなど、複数の問題が見つかった。同研究について掲載していたジャーナルは、これを撤回した。

26件の研究のうち5件では、データが偽造された可能性があった。例えば、事実上不可能な数値が含まれていたり、同じ患者のデータが複数回使用されるなどしていた。

さらに別の5件では、数値のつじつまが合わなかったり、パーセンテージの算出に誤りがあったほか、地域の医療機関が治験の実施を認識していないなど、重大な問題が見つかった。

こうした治験の不備に加え、これらの研究の著者14人は独立調査チームにデータを返送しなかった。このことから、調査チームの科学者たちは、不正行為があった可能性があると指摘している。

調査チームが調べた研究論文のサンプルには、世界各国の質の高い研究も含まれていた。しかし大きな問題は、イベルメクチンの効果を大きくうたう研究にあった。実際、イベルメクチンで救われたとされる命や感染の数が大きいほど、捏造や研究結果が無効なのではないかという懸念が大きいことがわかったとしている。

これらの治験の中から人為的ミスを排除するのは非常に難しいが、豪シドニーにあるニューサウスウェールズ大学の研究者で医師のシェルドリック博士は、これらの治験には故意に操作されたものが含まれている可能性が高いと考えている。

レバノンで最近行われた研究では、患者11人に関する詳細が繰り返しコピーペーストされていることが判明。治験でデータが使用されていた患者の多くが、実際には存在していないことが示された。

この研究の著者はBBCに対し、「もとのデータセットは不正に操作されたか、妨害されたか、あるいは最終ファイルに誤って入力された」と述べ、この研究を掲載した科学雑誌に撤回を申し入れた。

イランにおける別の研究は、イベルメクチンがCOVID-19による死を防いだと示しているように思えた。

しかし、この研究を調査した科学者らは問題を発見した。患者の血液中の鉄分濃度の記録に、不自然な数値が含まれていたのだ。

また、プラセボを与えられた患者はイベルメクチンを投与された患者に比べ、治験に参加する前から、血液中の酸素レベルがずっと低かったことも判明した。つまり、プラセボを服用した患者たちは元から病気の傾向が強く、統計上は死亡しやすい状態だった。

こういったパターンは、別のさまざまな測定数値についてもたびたび見られた。数値が「悪い」人々はプラセボのグループに入れられ、数値が「よい」人々がイベルメクチンのグループに振り分けられていた。

こうしたことが無作為に起きた可能性は限りなく小さいと、シェルドリック博士は話した。

イランでの研究を主導したモルテザ・ニアイ博士は、研究の結果と手法に問題はないとし、指摘を受けた問題点についても見解が異なるとした。数多くの異なる要素を検討し、それらの要素が必ずしも治験参加者のCOVID-19のリスクに影響しない場合には、「こうした無作為状態が出現するのはごく普通だ」というのが、彼の意見だ。

それでも、レバノンとイランの治験は、科学的根拠を検証する多国籍の専門家集団コクランに提出された論文からは除外されていた。「ひどい報じられ方をした研究」だったからだという。検証の結果、イベルメクチンがCOVID-19に対して効果があるという証拠はまったくなかった

イベルメクチンに関してこれまで発表された研究の中で、最も大規模で質が高いのは、カナダ・マクマスター大学のトゥギャザー治験をめぐるものだ。その研究でも、COVID-19に対する効果は何ら確認されなかった。

ベルメクチンは、副反応の報告がいくつかあるものの、一般に安全な薬と考えられている。

アメリカではイベルメクチンの中毒とみられる症状での電話は急増したが、そもそも基となる数が小さく(435件から今年は1143件に)、症状もほとんどは深刻ではなかった。

患者に見られたのは嘔吐、下痢、幻覚、混乱、眠気、震えだった。

とはいえ、人々に誤った安心感を与えることで、間接的な害を生み出す場合がある。COVID-19への対応として、病院に行ったりワクチンを接種したりするのではなく、イベルメクチンを選ぶ場合が、まさにそうだ。

ペルーの公衆衛生の専門家、パトリシア・ガルシア博士は、病院で会った患者15人につき14人がイベルメクチンを服用していると思われる時期があったと説明。患者たちは、来院した時には「本当にかなり具合が悪かった」と話した。

イベルメクチン支持派のフェイスブックの大型グループは、どこでイベルメクチンを購入できるかのアドバイスを求める人たちのフォーラムになっている。動物向け製剤の購入に関する情報も、そこでは提供されている。

グループの一部には、イベルメクチンをめぐって隠蔽がなされているとする陰謀論が定期的に投稿される。反ワクチン感情を高めたり、イベルメクチンを出さない病院からは去るよう勧告したりする投稿もみられる。

そうしたグループは往々にして、メッセージが暗号化されるアプリ「テレグラム」にある、より過激なコミュニティーの入り口になっている。

それらのチャンネルは、イベルメクチンを処方しない医師に対する嫌がらせを組織化するもので、科学者も攻撃対象にしている。

英リヴァプール大学のアンドリュー・ヒル教授は、イベルメクチンを前向きに評価する、影響力あるレビューを書いた人物だ。

当初、世界は「準備し、供給を受け、(イベルメクチンの)承認に備える」べきだと訴えていた。

だが現在は、イベルメクチンをめぐる研究は精査に耐えられるものではないと主張している。ヒル教授は新たに出てきた証拠をもとに見解を変えたのだが、悪意ある嫌がらせを受けた。

イベルメクチンに関する議論では、少数の医師が水増しされた影響力を誇っている。有名な推進派、ピエール・コリー博士は、治験が大きく問題視されても、自らの見解は変えていない。問題だとする人たちについては、「続々出現する治験データを表面的に解釈している」と批判している。

妊娠と出産が専門の医師テス・ローリー博士は、英イベルメクチン推奨開発(BIRD)グループを創設した。

彼女はCOVID-19のワクチン接種の停止を要求した。安全データに関するよくある読み間違いを基に、同ワクチンが大人数の死を招いたと示唆する、裏付けのない主張を展開した。

オンラインの討論会で、どんな証拠があればイベルメクチンは効かないと納得するのかと問われると、ローリー博士は「イベルメクチンは効く。何も私を納得させることはできない」と答えた。

BBCには、「効果を示す証拠をめぐる唯一の問題は、その価値を損なおうとする執念深い努力が存在することだ」と話した。


世界各地で人々をイベルメクチンに飛びつかせたのは、もともとはワクチンへの反対ではなく、ワクチン不足だった。

インド、南アフリカ、ペルー、南米の他の多くの国々、スロヴァキアでは、イベルメクチンは別々のタイミングでCOVID-19対策として承認され、推奨され、処方されてきた。

ペルーとインドの保健当局は、治療ガイドラインの中でイベルメクチンを推奨するのをやめた。

イベルメクチンの製造メーカーの1つ、メルクは2月、「COVID-19に対する治療効果の可能性を示す科学的根拠は何もない」と説明した。

南アフリカでは、イベルメクチンが論争の的となっている。医師たちは証拠不足だと指摘。一方で多くの患者たちは、ワクチン接種にむらと問題がある中、どうにかしてイベルメクチンを入手しようと躍起だ。ある一般開業医は、親類の看護師がワクチン接種を受ける資格があるにもかかわらず予約せず、新型ウイルスに感染してしまったと語った。

「彼女は悪化し始めると、適切な検査や治療を受けず、イベルメクチンで自分を治療した」と、その女性開業医は話した。

「彼女は医師に相談するのではなく、イベルメクチンを服用し続け、家庭用酸素を買った。血中酸素飽和濃度がどれほど下がっているか(66%)耳にした時には、私は彼女の娘に対し、お願いだから緊急治療室に連れて行ってほしいと頼んだ」

「最初、彼女たちは消極的だったが、私は行くように説得した。数時間後、彼女は息を引き取った」




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2021年10月20日

 

NEJMから、イベルメクチンの毒性が掲載された。



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Covid-19の予防と治療に関連するイベルメクチン使用による毒性作用

 

 

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2114907?query=TOC&cid=NEJM%20eToc,%20October%2021,%202021%20DM395995_NEJM_Non_Subscriber&bid=679778679

 

2021/10/20

 

Courtney Temple, M.D.
Ruby Hoang, D.O.
Robert G. Hendrickson, M.D.
Oregon Health and Science University, Portland, OR

 

イベルメクチンは、腸の桿虫症、オンコセルカ症の経口治療、およびしらみ寄生症と酒皶の局所治療として食品医薬品局によって承認されています。ペットや家畜の寄生虫の治療にも使用されます。イベルメクチンは、in vitroで重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV-2)の複製を減少させる可能性がありますが、ランダム化された対照試験では、コロナウイルス病2019Covid-19)の予防または治療に臨床的利点は示されていません。イベルメクチンの獣医での使用が増加しており、米国で人間が使用する処方箋の数は、パンデミック前の数の24倍です。さらに、20218月のそのような処方箋の数は20217月の数の4倍でした。

オレゴンポイズンセンターは、専門の訓練を受けた看護師、薬剤師、医師が常駐する電話相談センターであり、オレゴン、アラスカ、グアムの患者をケアする医療従事者に一般の人々に治療アドバイスを提供し、包括的な治療相談を提供します。センターは最近、Covid-19に関連するイベルメクチン曝露に関してますます多くの電話を受けています。イベルメクチンに関する電話の割合は、2020年には月額0.25件でしたが、20211月から7月にかけて月額0.86件に増加しました。 20218月、センターは21件の電話を受けました。すべての毒物曝露の月間総通話量は、2020年から2021年まで安定していた。

8月に電話をかけた21人のうち、11人は男性であり、ほとんどが60歳以上でした(中央値64歳、範囲2081歳)。約半数(11人)がCovid-19の予防にイベルメクチンを使用したと報告されており、残りの人はCovid-19の症状を治療するためにこの薬を使用していました。 3人は医師または獣医から処方箋を受け取り、17人は獣医用製剤を購入しました。残りの人のイベルメクチンの供給源は確認されていません。症状は、大規模な単回の初回投与後2時間以内にほとんどの人に発症​​しました。 6人では、1日おきまたは週2回の反復投与を数日から数週間行った後、症状が徐々に進行しました。ある人はまた、Covid-19を治療または予防するためにビタミンDを服用していました。動物用製品を使用していた人が摂取したと報告されている用量は、6.8mgから125mg1.87%ペーストと20から50mg1%溶液の範囲でした。ヒト用錠剤の投与量は、予防のために週21回あたり21mgでした。

21人のうち6人は、イベルメクチンの使用による毒性作用のために入院しました。処方箋で薬を入手した3人を含む6人全員が予防的使用を報告した。 4人は集中治療室で治療を受けましたが、死亡した人はいませんでした。症状は、胃腸の苦痛が4人、錯乱が3人、運動失調と脱力感が2人、低血圧が2人、発作が1人でした。入院しなかった人のほとんどは、胃腸の苦痛、めまい、混乱、視覚症状、または発作。

これらの症例は、錯乱、運動失調、発作、低血圧の重度のエピソード、不適切な使用の頻度の増加など、イベルメクチンの潜在的な毒性作用を示しています。
Covid-19を治療または予防するためのイベルメクチンの使用を支持する十分な証拠はなく、不適切な使用、および薬物相互作用の発生の可能性は、入院を必要とする深刻な副作用を引き起こす可能性があります。