宇野良治
ピロリ菌を検査して、陽性者に対して積極的に除菌を行えば、
数年で胃癌死亡が激減し、胃癌治療費用が減少するとして、国会でまで議論され、
慢性胃炎のあるピロリ菌の除菌について、
保険適用が拡大されたのが2013年である。
その前後、保険適用拡大推進者らは、2020年の東京オリンピックまでに
除菌効果によって胃癌死亡者数が年間3万人以下に減少し、
5年間で合計15万人の命が救われると述べた。
それに対し、私は、日本で(世界で?)ただ一人、異議を唱えた。
そもそも、
ピロリ菌除菌で胃癌発生が減少するという研究は観察期間や観察方法が不十分であり、
除菌によって胃癌が減少するのではなく、
除菌によって胃粘膜が変化して胃癌が発見しにくくなるだけである、
胃癌の死亡率がなだらかに低下しているのは、
日本でのピロリ菌の陽性者が減少し続けているのが主要因である、
そのため、除菌後は毎年、胃カメラで検査する必要がる、
という内容の本を出版した。
しかし、その本の44頁に記したグラフは2018年までのデータであった。
除菌療法の保険適用が拡大されたのは、厳密には2013年2月であったので、
2018年では、4年10か月であり、厳密に5年後ではなかった。
つまり、奇跡的に2019年に胃癌死亡が激減して3万人になることは否定できなかった。
2020年以降は、コロナによる影響を受けるので、
私の主張が正しかったか、誤っていたかについては、
2019年までのデータで判断すべきと思っていたのである。


そして、今年8月3日に発表された2019年の胃癌死亡者数が、
国立がんセンターから報告された。
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/5_stomach.html
その結果、
2019年の胃癌死亡者数は、42931人であった。
つまり、2013年から5年10か月を経ても、胃癌死亡者数は3万人以下ではない。
R2=0.987

よって、
ここで、勝利宣言を行う。
