宇野
<追記1> 2020年4月15日 14時32分
「外出自粛、22年まで必要」 米ハーバード大が予測
朝日新聞digital: 4/15(水) 11:49配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200415-00000032-asahi-sctch
新型コロナウイルスの世界的流行を抑えるためには、外出規制などの措置を、2022年まで断続的に続ける必要がある――。こんな予測を米ハーバード大の研究チームが発表した。措置が必要な期間は、抗ウイルス薬やワクチンの開発、救急医療態勢の拡充などで短縮できるとしている。14日、米科学誌サイエンス(電子版)に論文が掲載された。
研究チームは同じコロナウイルスで、一般的な「風邪」の原因になる二つのウイルスの毎年の感染状況から、米国のデータをもとに25年までの感染者の推移を推定した。その上で、季節によるウイルスの広まりや免疫の持続期間などを評価。多くの人が感染し、集団免疫を獲得して流行が抑えられるまでの時間を調べた。
その結果、今回の流行が終わった後も、外出規制を1度だけで解除すればすぐに第2波が来ることなどが判明。感染者数のピークが救急医療態勢の能力を超えないように、断続的に外出規制を行うと、集団免疫を獲得するには22年までかかることが分かった。
研究チームは「新たな治療法とワクチンがあれば外出規制の期間と厳しさを軽減できる」としている。しかし、制圧に成功したように見えても、24年までは再び感染が広まる可能性があり監視を続けることが必要だという。
<追記2> 2020年4月15日 16 時00分
論文:Stephen M. Kissler SM, eta al. Projecting the transmission dynamics of SARS-CoV-2 through the postpandemic period. Science 14 Apr 2020:eabb5793
DOI: 10.1126/science.abb5793
https://science.sciencemag.org/content/early/2020/04/14/science.abb5793
この論文では、今回のウイルスが季節性があるか、ないかの2つで検討されているが、
たとえば、季節性がない場合、
以下のように、4週間の社会的距離の制限を行っても、
制限を解除した後にすぐに急増し、
たとえ、8週、12週、20週であっても同様に、
制限を解除した後に急増する。
ワクチンが開発されるまで、無期限に制限を継続しなければ、抑制できない。
著者らは、米国の医療状況では2022年まで感染が継続すると予想し、
医療崩壊を来さないレベル以下で、断続的に制限期間を繰り返す方法を提言している。
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2020年4月14日 18時06分
<まとめ>
- 新型コロナウイルス感染では、基本再生産数:R0は、2.5(1.4-6.6)
- 流行抑止R0<1を実現するためには、ワクチン、隔離が必要
- R0=2.5でワクチンがない場合、集団が60%感染しなければ集団免疫が得られない。その際、推定死亡者数は3万人~60万人。(R0=6.6 であれば」85%)
- 感染者を隔離し、社会的な接触を減らし、学校を閉鎖する方策は、経済的なコストがかかり何か月も必要であるが、集団免疫が形成されないため、ワクチンができるまで継続される。
西浦教授は、集団免疫60%獲得、あるいはワクチン接種率60%と同等の効果を国民が60%より厳しい80%に行動抑制することにより得られると考えているが、法的規制もなく、十分な保証もなく、ただ民間のサービス業だけに休業を要請することでは、クラスター発生の抑制はできるかもしれないが、国民全体の集団免疫獲得と同等の効果が得られるかは、論理的にも困難である。さらに、一定の効果が得られたとしても、行動規制期間中に、ほとんど全てのウイルスが不活性化しなければ、行動制限を解除すると感染が爆発するため、そのまま継続しなければならないことを国民は知っているのであろうか?
集団免疫が得られていない集団では、たった一人の感染者からパンデミックが起こる。
<参考資料>
基本再生産数
疫学において、感染症の基本再生産数(英: basic
reproduction number、R0 と表記され、R
noughtあるいはR zeroと読まれる)とは、すべての個体が感染症に対する感受性(英語版)をもつ集団内で、一感染個体により直接生み出される感染個体数の平均と考えられる。この定義は他の個体はすべて感染しておらず、(先天性の、あるいはワクチン接種による)免疫をもっていない状況を記述している。一般に使用される感染症モデルでは R0 > 1 のとき、感染症は集団内で蔓延をはじめ、R0 < 1 のときには蔓延しない。
COVID-19では、1.4-6.6.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%95%B0
<流行抑止の条件>
R0:基本再産生数、p:予防接種率
(1-p)R0<1
p>1-1/R0
http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-180627.pdf
ワクチン接種や隔離により感受性人口密度を臨界値以下にすれば流行を防げる。
R0 =1以下ならば、流行は自然消滅する。そこで、感染症根絶のためには、
R0<1となるようにワクチン接種や隔離を行わなければならない。
http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~ryo/Lectures/Iwami/Note_1.pdf
このR0が重要なのは、R0の値から「集団免疫率」が計算できるためである。通常、我々人間はウイルスなどに感染すると、回復過程でそのウイルスに対する免疫を獲得する。感染症のなかには、集団の大部分が感染し免疫を獲得することで、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する機能が働く場合がある。このような機能を「集団免疫」といい、人口に対する免疫保有者の割合を「集団免疫率」と呼ぶ。このため、集団免疫率は、最終的に人口の何%が感染すると、感染拡大が終息に向かうかの目安ともなる。1人のウイルス保有者が平均的に感染させる人数は確率的に2.5×(1-Z)人となる。その期間から第m期後のウイルス保有者数は(2.5×(1-Z))^mに比例する。この値がゼロに収束する条件は、数学的に「2.5×(1-Z)<1」であり、これは「Z>1-1/2.5=60%」になる。すなわち、基本再生産数(R0)が2.5のケースでは、集団免疫率(Z)が6割になると、感染が終息に向かうことを意味する。日本の総人口は約1億人なので、集団免疫を獲得するまでの感染者数は約3000万人~6000万人となる。致死率が2%~3%では、集団免疫の機能が働くまでに60万人~180万人も最悪ケースで死亡するリスクがあるが、致死率はもっと低い可能性もある。無症状や軽度である人々がおり、それが報告感染者数の数倍である場合、推定致死率は0.1%~1%である。その場合の死亡者数は3万人~60万人(=0.1%×3000万人~1%×6000万人)となる。
https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0568.html
最も単純なモデルに従えば、例えばR0が3の場合、集団免疫が機能するには人口の66%が免疫を獲得する必要がある。
割合が50%でも60%でも80%でも、それは世界中で数十億人が感染し、数百万人が死亡することを意味する。しかし、パンデミックの拡大ペースが遅くなれば、新たな治療法やワクチンが効果を上げる機会が増す。
現在、英国で確立された最新の疫学的モデルでは、ウイルスの積極的な「抑制」を推奨している。強く促されている基本的な方策は、感染者を隔離し、社会的な接触を75%減らし、学校を閉鎖することだ。経済的なコストがかかるこれらの方策は何か月も続く可能性もある。
「感染が抑制されるということは、集団免疫が形成されないということです」。インペリアル・カレッジ・ロンドンでアウトブレイクの新たな予測モデルの構築を主導した疫学者アズラ・ガーニ教授はそう語る。「感染がかなり低いレベルに抑えられているからこそ、そうした方策を続けなければならない」という矛盾が存在するのだ。
https://www.technologyreview.jp/s/193398/what-is-herd-immunity-and-can-it-stop-the-coronavirus/
