ピロリ菌除菌で胃癌死亡減少しない
Yoshiharu Uno, MD, PhD
日本で行われている「胃癌死亡抑制のためのピロリ菌除菌」について、
その効果がないことを、私は、昨年に英文論文で記した。
Yoshiharu Uno. Prevention of gastric
cancer by Helicobacter pylori eradication: A review from Japan. Cancer Med.
2019 Jul; 8(8): 3992–4000.
ちなみに、この論文の査読者の一人は世界的に有名な香港大学の研究者である。
その論文の中で、
かつて、ピロリ菌除菌推進者は、ピロリ菌除菌によって、
東京オリンピックが開かれる「2020年までに胃癌死亡者数は年間3万人に減少する」と繰り返し述べたという多くの(消せない)記録が残っている。「除菌によって、何万人もの命を救える」と行政に訴えたのである。
それに対し、
私は論理的に、また、統計学的に2020年に3万人に減少することはないと記した。死亡数の緩徐な低下は、除菌療法拡大の以前からのピロリ菌感染率低下とパラレルであって、ピロリ菌除菌の保険適応拡大による効果ではないと記した。そのデータ分析は、2017年までのものであった。
そして、2018年のデータでは、
年間の胃癌死亡者数は44192人であった。
それはまさに、私の予測した直線上にあった。
出典に加筆:Y Uno. Cancer Med. 2019 8: 3992–4000.