宇野
最初は、これまで説明してきたことを繰り返します。
日本人にピロリ菌の感染者が多かった時代は、ピロリ菌感染者に胃癌が多かったということは事実です。しかし、ピロリ菌感染者のなかで、最も胃癌いなりやすいのは、ピロリ菌が胃の中から自然消失した時期であり、つまり、直接、ピロリ菌が胃癌を発生させるのではないことがわかっていました。また、一昔前は胃の細菌はピロリ菌だけだと思われていましたが、遺伝子研究の進歩によって、ピロリ菌が消失する時期に、その他の有害な発癌性のある菌が増殖して、胃癌を発生させることがわかってきました。
ピロリ菌が存在する場合は、胃のpHは8くらいで、胃酸による他の菌の増殖抑制効果は期待できませんが、ピロリ菌が存在することによって、他の有害な菌の増殖を防いでいる可能性があります。
一方、ピロリ菌がいない胃では、pHは3以下と強酸状態なので、胃酸で有害な細菌の増殖を予防できる能力がありますが、その強力な胃酸によって、逆流性食道炎を来す可能性が増加します。これは、比較的若い人がピロリ菌を除菌した後でも同様です。逆流性食道炎の症状を緩和させるために、胃酸分泌を抑制する薬であるPPIを服用し続けると、胃癌が数倍増えるということは、もはや世界的常識となっています。そのため、なんらかの予防が必要になります。
最近の研究では、FODMAPが大腸で発酵して産生される短鎖脂肪酸SCFAが増加すれば、消化管ホルモンや迷走神経を介して、胃と食道のつなぎ目の締め付けがゆるくなり、逆流性食道炎を発症しやすくなることがわかってきました。このことに関しては、私の論文が今年中に公開されるでしょう。しかし、日本では、依然として、大腸で発酵する食べ物が健康的だというCMが多く、また、SCFAを増やすと健康になるというプロパガンダが多いため、日本では逆流性食道炎が、指数関数的に増加することは間違いありません。つまり、知識のない日本の人々は、良かれと思って、健康になると思って、逆流性食道炎を増やす食品を自ら積極的に摂取し続けているのです。
逆流性食道炎で問題になるのは、炎症を繰り返すと、胃と食道の境界線が口の方に上がっていき、そのせり上がった粘膜をバレット上皮といいますが、そのバレット上皮の範囲(バレット食道)が長いほど、食道腺癌を発症しやすくなります。この場合においても、その部分での細菌叢が変化することが確認されています。
特に、有害とみなされているのは、乳酸菌であり、ケンブリッジ大学の報告では、食道腺癌で乳酸菌の異常増殖が確認されています。
乳酸菌が食道腺癌と関連する理由として、微小循環が乳酸によって酸化されること、乳酸発酵によって過酸化水素などの有害物質を産生することが指摘されています。
Elliott DRF,
Walker AW, O'Donovan M, Parkhill J, Fitzgerald RC. A non-endoscopic device to
sample the oesophageal microbiota: a case-control study. Lancet Gastroenterol
Hepatol. 2017 Jan;2(1):32-42.
以上から、
日本は、
世界中で最も、
食道腺癌が増加する状況であると結論します。
そして、低FODMAP食によって、
逆流性食道炎、食道腺癌の増加を予防できる可能性があります。
何度も言っていますが、
善玉菌と言うのは、
一世紀前の妄想です。
この死語を使っている人、たとえ、それなりの大学の教授であっても、
信じない方が賢明でしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=NyCG6epl1m8
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<追記>
逆流性食道炎の自己診断は、
以下です。
http://www.pariet.jp/helpful/f-scale.html#Question
8点以上は、低FODMAP食を4週間試してください。
そして、4週間後、何点になったか、記録してください。
また、乳酸菌の摂取状況についても記載ください。
その効果について、
来年、ネット調査と集計を企画しています。
参加者が20人以上でパイロット研究として、
論文を書けると思います。
医師で、医学博士課程の副論文が欲しい人の場合、、
この研究のデータ数を増やすことが出来れば
論文の共著者として、著者に入れます。
この研究は、私が、世界的プライオリティーを得たので、
私の筆頭著者の論文は、インパクトファクター3以上は確実です。


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