宇野



とうとう、国民に知らせる時が来たようだ。

ピロリ菌除菌のために、

日本では、逆流性食道炎が急増していると、

国立国際医療センター国府台病院の上村直美名誉院長が、

語ったのである。


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上村先生は、

世界最高峰の医学雑誌のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに、

「ピロリ菌陽性の人は胃がんになりやすい」という世界最初の論文の筆頭著者であり、

ピロリ菌と胃がんの関係についての世界的権威である。

私が、このコラムで主張するのと、重みが違う。


2図1


この文章の最後には、胃がん死を大幅に減らしたとあるが、

2013年の保険適応時の目標では、5年後には胃癌死亡は年間2-3万人になるはずであったが、

未だに4万人台である。

そして、驚くほどに、逆流性食道炎が増加しているのである。

現在は、そのほとんどが無症状であるが、

将来的には、有症状が増加するはずである。

3図1



実際に、日本でも増えてきていると秋田大学から報告されている。

4図1


プロトンポンプ阻害薬:PPIをピロリ菌除菌後に服用すれば、

胃がん発症率が、2倍以上増加させることが、

昨年世界中で話題となった。

現在、ピロリ菌除菌推進者の報告でも、

ピロリ菌除菌での胃がん発症の抑制率は50%程度であるが、

除菌後の逆流性食道炎のためにPPIを服用すれば、

除菌する前よりも胃癌のリスクが増加するという計算になる。


繰り返すが、2013年の保険適応前には、除菌によってどんどん胃がん発生数が減少し、

さらに、5年後に胃がん死亡が年間2、3万人になると予想し、

費用対効果があると、除菌推進者は主張したのではないか。

しかし、胃がん発症数は、未だに減少せず(増加している)、

費用対効果の赤字が続いている。

そして、ピロリ菌感染の自然減少効果(除菌効果ではない)が出る頃に、

胃がんよりも予後が悪い食道腺癌が増加する可能性が高い。


逆流性食道炎の増加:これは、平成の時代の負の遺産である。





追記:この週刊ポストの記事は、多くの潜在性を有しています。

週刊ポストの編集者と、上村先生、大竹先生に敬意を表します。