パンを壊す:Breaking bread!


Uno Y 

111図1

Breaking breadは、キリストがパンを分けるという宗教的な意味もあるが、

このタイトルのついた英国からの論文は、純粋に宗教的な意味ではなく、現在の小麦粉への警鐘である。
グルテンフリー、FODMAPを解説しているが、その論文の無料の抄録の始まりは、彼らの思いが込められている。


Rej A, Aziz I, Sanders DS. Breaking bread!b Proc Nutr Soc. 2018 Oct 16:1-8.


Humankind has existed for 2·5 million years but only in the past 10 000 years have we been exposed to wheat. Therefore, it could be considered that wheat (gluten) is a novel introduction to humankind's diet! Prior to 1939, the rationing system had already been devised. This led to an imperative to try to increase agricultural production. Thus, it was agreed in 1941 that there was a need to establish a Nutrition Society. The very roots of the Society were geared towards necessarily increasing the production of wheat. This goal was achieved and by the end of the 20th century, global wheat output had expanded by 5-fold.

人類は250万年前から存在してきたが、人類が小麦を取り入れたのは過去1万年間にすぎない。 したがって、小麦(グルテン)は人類の食生活の新規導入であると考えられる。 1939年以前に、配給制度はすでに考案されていた。 これは農業生産を増やすことを強制することにつながった。 したがって、1941年に栄養学会を設立する必要があることが合意された。 社会の根は、小麦の生産を必然的に増やす方向に向かっていた。 この目標は達成され、20世紀末までに、世界の小麦生産量は5倍に拡大した。

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農業生産のために栄養学会設立という歴史があったということである。

小麦粉による世界制覇の可能性は、1920年、共産国家樹立3年後のソビエトの大飢饉で数千万人が餓死する危機に瀕した際に示唆された。その際、アメリカのフーバーはアメリカで豊作過ぎて余った小麦、トウモロコシをソビエトに運んだ。それらは米国内では値崩れを引き起こし、深刻な不況を起こす原因であった。(NHK:映像の世紀より)

そして、戦後の日本の食糧難の際も日本へ大量に輸出されたのも小麦粉であった。これは、戦後の日本の共産化を防ぐ意味が強かった。(NHK:歴史秘話ヒストリアより)

戦後70年を経て、日本は変わることが出来たのであろうか?


今回、小麦粉による戦略を記したのは英国の研究者であるが、
この英国には、BBSRCという
世界的な機関がある。これは日本語ではバイオ技術・バイオ科学評議会義である。その目的は、アフリカ、アジアの人口急増に伴う食糧危機に対応すべく、バイオ技術によって生産性のより高い品種改良と小麦粉などの増産を目的としている。詳細については、BBSRCを検索すると知ることが出来る。プレバイオティクスと同様に、農学系の研究者と経済学者というイメージである。

核科学が物理学者と経済、政治が主導したように、そこに医学は肯定的なものしか介入しえないのかもしれない。

低フォドマップ食を推進し、牛乳を飲むな、小麦粉を食べるな、と言っている私であるが、生活のため企業検診のバイトにも行っている。そして、小麦粉のパン製造会社や乳製品生産会社にも行った。そこでは、皆、社会のため、会社のため、自分の生活のためにと一生懸命働いている。この世界の何が悪で、何が善なのか?は、それぞれの立場で変わってくる。

Breaking bread!
それは、皆に分け与えるという意味と、その中身を検証するという意味かもしれない。

悪とは何か?
『父よ。お許しください。彼らは何も知らないのです』ルカ福音書
悪とは、知ろうとしない事、理解しようとしない事なのかもしれない。

そして、知ったうえで、確固たる信念があるのであれば、それは、どの立場でも悪ではないのかもしれない。(日本ではスペルト小麦が重要だと言っても、それは日本の話であって、スペルト小麦がアフリカの飢餓を救うことはできないのは確かなことである。)