Uno Y

 

ある定期バイトの検診施設での胃カメラで、被験者が苦しがらないように、十二指腸は球部だけ観察していたが、

「十二指腸はファーター乳頭部まで観察するように!」

と、お達しがあり、『あら、まあ、、、私の事か。。。』

その後から、ほとんど全ての胃カメラで十二指腸のファーター乳頭部を撮影することにしている。


そもそも、細径の経鼻内視鏡を十二指腸乳頭部から直接的に胆管挿入に成功したのは、日本では私が最初である。10年以上も前の話ではあるが。。。

(日本消化器病学会雑誌 2007; 104: 1614-24

 222図1
乳頭部までは、スコープを右回転、乳頭を越えたら、左回転にしなければ深部の胆管に入らない。

そのように細径内視鏡(経鼻内視鏡)を深部の胆管に挿入するには、相当苦労したが、

まず、乳頭部を正面視しなければならない。

そのためか、乳頭部を見ると、どうしても、(反射的に)正面視したくなる。

しかし、「あっ、こんなところで時間を費やしてはいけない!」と、正気に戻り、側面視で終わらせている。

そもそも、人間ドックで、乳頭部の観察が必要なのか?

と思っていたが、侮るなかれ。。。

乳頭部の観察は、傍(ぼう)乳頭部憩室のチェックが重要である。

たとえば、ある人の乳頭の脇に憩室があった。

 333図1

検査後、
「乳頭部に憩室があるので、もしかしたら、胆石がありますか?」と聞いたところ、

「はい、胆石があります。」とのこと。。。

「そうですか、胆石がある人は、胆石が胆管に詰まって胆管炎や膵炎を起こすことがありますが、憩室のある人はレンメル症候群と言って、この憩室が食べ物などで詰まると、胆管や膵管が圧迫されて、石でなくとも胆管炎や膵炎を起こすこともありますので、十二指腸に憩室があることは覚えておいてください。」

「十二指腸に憩室があるのですね。」

「そうです。小さい袋があります。」

「石でなくとも、石が詰まったような症状を起こすことがあるのです。」
「わかりました。」

というように、乳頭部の観察は重要です。

 

ちなみに、Lemmel症候群は、どちらから読んでもレンメルである。