FODMAP食の裏事情

 

Yoshiharu Uno

 

 

FODMAP食は、ある日突然に誰かが考えついたわけではない。

それは、それぞれの成分が過敏性腸症候群に関与していることが、ばらばらに報告されていたが、その一つを制限しても、必ずしも有効でない事から、それらをすべてやめてみればどうかということから始まった。

それは、オーストラリアの栄養士がこれまで報告されてきた非吸収性の糖質を全てまとめてみて、それらをすべて制限すればどうなるのか?という研究から始まった。そして、それらの集合に適切な名前をつけることに苦慮し、成分の頭文字をとって、FODMAPとした。(まあ、私だったら、医学的には、「非吸収性糖質」とすべきだったと思うが。。。)

そして、その報告をオーストラリアの学会で報告した時は、冗談の報告のように思われたようである。しかし、その後、医師のギブソンが加わり、栄養学的ではなく、医学的見地からそれを応用し始め、2005年に論理的に炎症性腸疾患にFODMAP制限食が有効ではないかという報告が行われた。一方で、ギブソン教授は、栄養士の臨床的立場の向上に努めた。

そのような事情から、オーストラリアのみならず、英国、米国、カナダなどでは、栄養士の定期的な指導が必須であるという論文が多い。

これまで、私は、必要以上の栄養士の介入について疑問を抱いていた。この方法、つまり、低FODMAP食は、本を熟読して、実践できる人では、必ずしも栄養士の指導はいらないと私は思っているからである。しかし、この治療食の裏事情には、栄養士の社会的、経済的な向上を目的としていたという背景があることがわかり、なるほど、と納得したのである。
裏事情を知った上で、私は、やはり、必要以上の栄養士の介入は不要だと思うのである。

 

<参考文献>

The FODMAP diet-not just going against the grain.

Burki TK.

Lancet Gastroenterol Hepatol. 2018 Apr;3(4):228.