米国腫瘍学会:アルコール制限策を勧告
Y Uno
2017年11月11日
米国腫瘍学会は、アルコール摂取による発癌増加が明らかになったとして、
アルコールの摂取制限を勧告した。
その論文は、NEJMのPhysician's
First Watchに掲載され、
2017年11月11日、全世界に配信された。
The American Society of Clinical Oncology is calling
for reduced alcohol consumption given that cancer risk rises with increasing
use. Even light drinking is associated with increased risk for some cancers.
The statement includes a table that could be used to
counsel patients. For instance, "moderate" drinking is associated
with cancers of the oral cavity, pharynx, esophagus, larynx, breast, and
colorectum.
Among the other recommendations in the statement, published
in the Journal of Clinical Oncology:
- Clinicians
should screen for alcohol use and provide brief interventions.
- Strategies to
control alcohol use should be part of a cancer care plan.
- Prices and taxes
on alcohol should be increased.
- Alcohol
companies should not engage in pink-washing — a practice in which
companies use pink ribbons or the color pink to raise awareness for breast
cancer — given alcohol's role in breast cancer risk.
アルコールとがん:米国臨床腫瘍学会声明
http://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.2017.76.1155
2012年のデータでは、全世界のがん死亡率の5.8%がアルコール飲料に起因すると推定された。
アルコールにより、口腔咽頭癌、食道癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌の死亡率が増加する。
特に、女性の大腸癌のリスク増大につながる。
用量に応じて、上部消化管癌が増加する。
エストロゲン受容体陽性乳癌の女性では、毎日のアルコール摂取で90%リスクが増大した。
癌の転移とアルコール摂取に因果関係がある。
長期のアルコール摂取で、発癌リスクが増大する。
国際的には40か国以上でアルコール飲料摂取のガイドラインがある。
アルコール摂取をやめることにより、アルコール関連癌の発症が低下する。
WHOはアルコールを第一類群の発癌物質と分類している。
行政的対策として、以下が提案された。
・アルコールを提供する場所の制限
・アルコール税と価格の引き上げ
・販売日と販売時間を制限
・未成年者の禁酒の徹底
・アルコール飲料広告の若者出演の制限
・民間小売の規制
・包括的ながん対策へアルコール制限を含める
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<コメント>
日本の酒税は、国際的に低くないか?
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8238144_po_075003.pdf?contentNo=1
女性の癌死亡抑制には、検診よりもアルコール制限が有効ではないか?
日本の酒類広告に若者が起用されているのは、どのような意味をもつか?
国家的に、アルコールによる短期的経済効果があったとしても、
長期的には発癌による経済損失効果で全体的に経済損失になっていないか?
アルコールのピグー税に、発癌による補償を加えるべきではないか?
コンビニでの24時間販売は、国際的水準で正しいか?
銃規制ができない米国のような背景が、日本のアルコール規制にないか?
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追記:2017年11月24日
Lancet 2017年11月25日号
2017年11月15日、英国最高裁は、スコットランド政府がアルコール飲料の最低単価を設定する権利を全会一致で裁決した。
カナダの最低価格設定の研究では、最も安いアルコール飲料の平均価格が10%上昇すると、消費が8%減少し、アルコール関連死亡率が32%低下し、入院が9%減少するとされている。

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