日本でバレット食道が増加

Yoshiharu Uno, MD,PhD

 

ここ約1か月で約100人の上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行った。

そして、気がついたことがある。

それは、

無症状非高齢者でのバレット食道Barrettʼs esophagusの増加である。

11図1
112図1
バレット

114図1

113図1

ほとんどが、3センチ以下のSSBE short segment Barrettʼs esophagusであるが、

インプレッションでは、2、30年前より、2、3倍増えている。


特に、無症状の非高齢者での増加は、

最大の懸念である。

 

『いよいよ、来たな』という感じである。

何が来たのか?

 

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通常、食道粘膜と胃の粘膜は、食道括約筋のある部位(生理的狭窄部:食道・胃接合部)に境界がある。

 

 バレット食道は食道下端の扁平上皮が胃から連続する円柱上皮で置換された状態である.食道 癌取扱い規約 ではバレット粘膜を 「胃から連続性に伸びる円柱上皮で,腸上皮化生の 有無を問わない」とし,「バレット粘膜の存在する 食道をバレット食道と呼ぶ」と定義している.

 

<引用>

鼻岡 昇 飯石浩康 石原 立 上堂文也 竜田正晴

大阪府立成人病センター 消化管内科

バレット食道;内視鏡診療の現況と問題点

https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/54/1/54_1_3/_pdf

 

簡単に言うと、バレット食道は、胃の粘膜が食道に伸びてきた状態である。

 

これについては、2013年、2014年に何度も、警告した。

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ピロリ菌の除菌治療を行った人では、胃酸の分泌が過剰となって胃内の酸性度が増し、さらに体重増加によって、腹腔内圧が上昇し、胃から食道へ胃液が逆流しやすくなる。逆流した胃液は食道組織を傷害して、びらん性食道炎、逆流性食道炎やバレット食道を生じることがある。バレット食道は食道腺癌の前段階の病変として現れることも知られている。

下の図は米国NY大学からの論文にある図である。

ピロリ菌が減少するとともに、食道腺癌が急増してきたという事実である。

 22図1

Blaser MJ. Disappearing microbiota: Helicobacter pylori protection against esophageal adenocarcinoma. Cancer Prev Res (Phila). 2008 Oct;1(5):308-11

そして、確実な事実は、まず、ピロリ菌の除菌によって逆流性食道炎が増えるということである。ピロリ菌除菌→逆流性食道炎の増加、さらには小腸菌増殖症や食道カンジダ症も発症してくる。日本は、まだ、逆流性食道炎が急増している時期であるが、少なくとも、欧米の状況からみて、今後、10年から20年後に、日本において食道腺癌と噴門部癌が増加する危険性があるのは確かなことである。

2014年の1023日から26日に神戸で開催された日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会大会および日本消化器がん検診学会の合同のパネルディスカッションに「H.pylori除菌療法:胃癌死亡を減少させるための戦略を巡って」の抄録集から、それぞれの施設のデータをグラフ化した。

 55図1

(文献:日本消化器病学会雑誌、第111巻、臨時増大号、第56回日本消化器病学会大会抄録集、2014A733-734

明らかに食道腺癌の発症が急増している。

(以上、著者の著書より)

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では、

何が来たのか?

 

それは、非高齢者での無症状のバレット食道である。


それは、何を意味するのか?

 

バレット食道の存在は、その部位で遺伝子異常を来していることを示すものである。

その遺伝子異常は、発がんにつながる。

http://www.medscape.com/viewarticle/883764

 

日本では、

20年年後から、バレット食道がん、食道腺癌との壮絶な闘いが始まる。

 3334図1
33図1


これは、予言である。

若い医師は、バレット食道の効果的治療を研究せよ!