公開質問:小腸のガスと朝の下痢

 

 

<質問>

 

はじめまして。私は〇○と申します。
学生時代より20年ほどIBS症状にかかっております。

宇野先生のブログを拝見し、フォドマップをもう一度試してみたいと思いました。
以前一度、all aboutの記事を見て何日間か試してみたのですが、残念ながら効果はよく分かりませんでした。
あまりにも自己流で大雑把なやり方だったので、宇野先生の本を読んでから実践してみようと考えております。

しかしいくつか疑問に思うことがあり、公開質問を投稿させていただきます。
(本を読んでからということでしたら、先に購入をさせていただきますので。)

自分の症状としては、下記のとおりです。
・夜中、ガスが貯まって(胃腸が動いて?)目がさめてしまう。
・朝食後何回もトイレに行く。最初は軟便→だんだん下痢。
・夕方ごろガスが異常に頻繁にでるときが週に1~2回ある。
・夜にトイレに行くと、朝よりも症状が改善していることが多い。

なにか合わない食事があって、ガスや下痢になっているのか?という感じはしています。

お聞きしたいのは下記2点です。

.
上記の自分の症状で不思議なのは「夜にトイレに行くと、朝よりも症状が改善していることが多い。」です。
これは何故なのでしょうか?
何らかしら、昼間の運動や、腸を動かすことによって症状を改善することができるということでしょうか?

2.
去年、〇○○の○○外来で検査を受けました。
その際、診断していただいた〇〇先生という方に、レントゲンを撮っていただきました。
レントゲンには小腸にガスが貯まっているとのことでした。大腸のほうは病院に行く前にトイレに行ったせいもあり、ガスはありませんでした。

「お酒を飲む人に多いんだよね。小腸にガス貯まるのは」と言われたのみで、結局原因はわからずでした。〇○○腸でもないとのことでした。


小腸にガスが貯まっている場合、順番としてはSIBOの検査に行ったほうがいいのでしょうか?

いきなり質問を送らせていただき、申し訳ございません。
宇野先生のフォドマップの情報発信、これからも応援させていただきます!

 

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<コメント>

 

.「夜にトイレに行くと、朝よりも症状が改善していることが多い。」です。
これは何故なのでしょうか?何らかしら、昼間の運動や、腸を動かすことによって症状を改善することができるということでしょうか?

 

<回答>簡単に言うと、IBSだからです。(新しい診断基準では腹痛があることがIBSの前提なので、腹痛がなければ、機能性下痢となります。)

IBSは、「排便にて症状が軽快する」ことが特徴です。

あなたの症状は、ガスによる腹部膨満症状と、軟便から下痢であり、これらを分けて考えるよりも、一緒に考えた方が合理的です。つまり、フォドマップ的には、過発酵によって、ガスが生じて、それによって軟便を生じていると思われます。

 

2. レントゲンには小腸にガスが貯まっているとのことでした。大腸のほうは病院に行く前にトイレに行ったせいもあり、ガスはありませんでした。小腸にガスが貯まっている場合、順番としてはSIBOの検査に行ったほうがいいのでしょうか?

 

<回答>SIBOの確定診断のための検査には、呼気テストと吸引液培養がありますが、関東では東邦大学大橋病院の瓜田教授がその検査を行っています。ですが、私の考えでは、レントゲン検査で小腸ガスが多いということから、ほぼSIBOと考えて良かろうと思います。(というのは、本来、正常の人ではレントゲンで小腸にはガスが写らないのです。)こういう状況では、小腸の菌を減量する目的で、米国的にはリファミキシンという抗生物質を服用するのですが、日本ではその薬の保険適応がありません。そのため、私はフラジールという薬を使用していましたが、人によっては悪心などの副作用があります。そして、SIBOの食事療法は、糖質制限です。糖質の多くは小腸で吸収されますが、SIBOでは、小腸で糖質が吸収される前に、小腸の細菌と糖質が発酵反応を引き起こし、ガスを産生します。それは、これまでは比較的短い時間でガス発生が終了すると考えられていましたが、高FODMAPでは、摂取後の45時間後まで小腸ガスが増加する事を私は確認しています。ですから、SIBOIBSの場合には、基本的に、高FODMAPの制限+糖質制限ということになります。それに最も近い食事は、日本では、糖質制限食(ローカーボ)、アトキンスダイエットということになります。低フォドマップ食を行うと、発酵に関係する菌が減少するので、糖質制限を行うと、小腸内の発酵菌も減少する可能性があります。

 

 

その他

3.以前一度、all aboutの記事を見て何日間か試してみたのですが、残念ながら効果はよく分かりませんでした。

<考察>

単に大腸内の発酵だけでない場合には、やはり、小腸の発酵も抑制する必要があるでしょう。

 

4.初めは軟便で、だんだんと下痢になる。

<考察>

このパターンは、比較的多く、2つのことが考えられます。ひとつは、直腸はあまり過敏ではく、それなりの容量によって直腸が膨らまないと便意を来さない。直腸が過敏になっている場合には、バルーンで直腸を膨らませると、わずか50mlで便意を来す人もいます。その場合には、頻回の下痢とさらに、残便感が強いのです。そして、直腸粘膜が鈍感になっている便秘の人では、200mlでも便意を来さない場合もあります。きっと、あなたの場合には、その感覚は正常なのだと思われます。また、もうひとつ考えられることは、夕食の内容が高FODMAPである可能性です。直腸の間隔が正常に近い場合には、便の性状やガス症状は、数時間前に食べた物が影響します。

 

ひとつ、試して頂きたいのは、まず、毎日、何を何時に食べたり、飲んだりしているのか?という記録を行うことです。1週間でいいです。

そして、それが糖質なのか?高FODMAPなのか?じっくり分析して欲しいのです。その結果、チェックされたものを自分の生活の中で回避可能かどうか?考えてみましょう。回避できると判断すれば、低フォドマップ食+糖質制限を行ってみてください。回避できない!ムリ!と考える場合には、まず、ガス発生が多い糖アルコール(キシリトールやソルビトールなど)と、乳糖だけでも制限してみてください。