公開質問:IBSと酵母について
酵母yeastについて、質問がありました。
まず、酵母とは、広義の意味では真菌です。Yeastが血流に入って、敗血症を来すことがあります。
Med Mycol. 2017 May 19. doi:
10.1093/mmy/myx038. [Epub ahead of print]
Risk factors and
clinical outcomes of breakthrough yeast bloodstream infections in
patients with hematological malignancies in the era of newer antifungal agents.
真菌とIBSの関係について、小腸真菌増殖症というものがあります。小腸真菌増殖症(主にカンジダ)は、小腸菌増殖症(SIBO)と関係しているとされます。そして、SIBOは過敏性腸症候群(IBS)密接な関係があります。
一方、酵母を人為的に投与して、病原微生物の増殖を予防しようとする考えもあります。
その典型な酵母は、1923年に発見されたSaccharomyces boulardiiです。その有効性の考え方は、乳酸菌のようなプロバイオティクスの思考であり、実際に、この真菌の入ったカプセルも販売されています。
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Saccharomyces_boulardii
それらの腹痛に対する有効性を示す報告もありますが、プラセボ効果と明確に区別されていないので疑問視する意見もあります。
J Neurogastroenterol Motil. 2016
Jul 30;22(3):542. doi: 10.5056/jnm16075.
Probiotic Yeast Therapy
for Irritable Bowel Syndrome.
狭義的には、食品などに用いられて馴染みのある出芽酵母の一種 Saccharomyces cerevisiae で、一般にはこちらの意味で使われることが多いとされます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B5%E6%AF%8D
そして、最近、この真菌によるIBSへの効果も研究されています。
World J Gastroenterol. 2017
Jan 14;23(2):336-344. doi: 10.3748/wjg.v23.i2.336.
Saccharomyces
cerevisiae CNCM I-3856 in irritable bowel syndrome: An individual
subject meta-analysis.
これは、フランスからの報告ですが、
私の尊敬するスピラ―教授(ノッティンガム大)は、同じ治験薬の結果で、腹部不快や腹痛を増強させると記しています。
United European Gastroenterol J. 2016
Jun;4(3):353-62. doi: 10.1177/2050640615602571. Epub 2015 Aug 21.
Randomized double
blind placebo-controlled trial of Saccharomyces cerevisiae CNCM
I-3856 in irritable bowel syndrome: improvement in abdominal pain and
bloating in those with predominant constipation.
以上のように、過敏性腸症候群に対しての酵母治療は、研究されていますが、未だ結論は出ていません。
しかし、最新の研究結果から、少なくとも症状を悪化させる人も存在することは事実でしょう。
ですから、過敏性腸症候群で、酵母を試す場合には、以上のことを認識しておくべきだと思います。
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