キングス・カレッジ・ロンドン大:低FODMAP食は次の段階へ
Y Uno
世界大学ランキング21位(東大34位)の英国キングス・カレッジ・ロンドン大から、低FODMAP食のレビューが2017年6月10日、公開された。
Gut. 2017 Jun 7. pii:
gutjnl-2017-313750. doi: 10.1136/gutjnl-2017-313750. [Epub ahead of print]
The
low FODMAP diet: recent advances in understanding its mechanisms and
efficacy in IBS.
1 Nutritional Sciences Division, King's College London, London, UK
そして、
もはや、単に低FODMAP食の有効性検証は終了したと記された。
Future
research on the low FODMAP diet must move away from simply assessing clinical
responses.
つまり、世界的水準では、IBSの低FODMAP食の有効性はゆるぎない事実と判断されたのである。
であるから、もはや、低FODMAP食が有効であるなどという論文は、
いわば、医学界の常識であり、ジャーナルにアクセプトされなくなるであろう。
そして、今後の研究テーマとして以下が記された。
<論文で示された今後の課題>
1.低FODMAP食から食事を自由にした際の長期追跡調査
2.低FODMAP食による腸内フローラの変更、シフトによる長期的影響
3.低FODMAP食とその中の限定された種類の制限(例えば果糖、乳糖だけの制限)との比較
4.低FODMAPの急速な需要に応じる栄養士不足に対するグループ教育などの検討
以上であるが、私は推進者でありながら、これら以外にも、まだまだ、低FODMAP食では、解明するべきことがあることがあると思っている。
たとえば、高FODMAPによる下痢は、FODMAPによる浸透圧性の水分増加で説明(私自身も)しているが、たとえ小腸で水分が増加しても、大腸には非常に高い水分吸収能力があり、理論的に多少の水分増加では、下痢を生じることはないのである。つまり、下痢になるには水分増加の他に何らかの根本的原因がある。
さらに、水分増加による下痢とするならば、便秘と下痢を繰り返す患者での水分動態を数式化して証明する必要がある。
さらに、ガス増加による腸管拡張が症状を来すとしても、同じ程度の腸管拡張であっても腹痛を来す患者と来さない患者が存在するのは何故か?低FODMAP食で腹痛が軽減する原理は?
FODMAP的に、以上が科学的に説明できなければ、ただ単に、「食事制限で良くなった」ということだけであり、それはそれで、確かに患者にはいいことではあるが、私的には、あまりに非科学的で、稚拙であり、面白くもないし、日本のCMのような「体験商法」的な感じがして、非常に不満である。そのため、私は、これまで、さまざまな条件を設定し、物理学的計算でその謎を解明しているのである。そして、それなりの計算結果が得られたので自信を持って、低FODMAP食を推奨しているのである。
つまり、自分が推奨する治療法を、あるいは自説を、常に自己批判する姿勢がなければ、それは本物ではないと、私は思っている。
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