中国発:低FODMAP食は炎症性腸疾患に有効
日本低フォドマップ食推進会
低FODMAP食が炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に有効であるか?について、これまでの報告についてmeta-analysis と systematic reviewした結果が、中国の研究者から報告された。
<補足>
meta-analysis:メタ解析:複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療(evidence based medicine)において、最も質の高い根拠とされる(wikipedia)。
systematic
review:システマティック・レビュー:文献をくまなく調査し、ランダム化比較試験(RCT)のような質の高い研究のデータを、出版バイアスのようなデータの偏りを限りなく除き、分析を行うことである(wikipedia)。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28587774
Zhan YL, Zhan YA, Dai SX.
Clin Nutr. 2017 May 24. pii:
S0261-5614(17)30180-2.
<要旨の抜粋>
合計319例の患者(寛解期では96%)を有する2つのRCTおよび4つの前研究が同定され、下痢、腹痛、疲労、悪心の誘因改善が確認された。以上から、メタアナリシスによって、低FODMAP食がIBD患者の胃腸症状を軽減するのに有益であることを裏付ける証拠となる。
<コメント>
今回の検証は、寛解時の炎症性腸疾患での症状抑制に有用であるという、ほぼ確定的な報告である。この研究に、利益的関係のない中国の研究者の報告は、中立性のある公平なものと判断され、もはや、疑いようのない事実である。そのため、日本低フォドマップ食推進会では、潰瘍性大腸炎とクローン病の患者さんに、低フォドマップ食を正式に推奨する。
日本では、このような情報はなかなか発信されることはない。
その理由は、日本での炎症性腸疾患の治療は、低フォドマップ食のような食事療法ではなく、最新治療としては、もっぱら、「糞便移植」の研究であり、基本的には、薬剤治療や血液浄化療法がベースであることがあげられる。
さらに過敏性腸症候群IBSにおいては、日本消化器病学会のガイドラインで低FODMAP食が記されているにもかかわらず、それが国民に広く啓蒙されないのは日本では、もっぱら「ストレス起因説」の研究に主眼が置かれ、薬剤治療がベースにあるためであろうか?
いずれにせよ、低フォドマップ食については、
人口15億5千万人以上、経済世界第二位の中国が動き出す可能性がある。
このコラムにも、中国、台湾、香港からのアクセスが増えてきていることもあり、
私の著書の英語版の完成の後は、中国語での出版も必要かと感じた。
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