日本低フォドマップ食推進会声明:「胃腸の不調が無くなる本」について
江田証医学博士監修の「胃腸の不調が無くなる本」が販売されています。
そのなかで、
過敏性腸症候群におすすめ低FODMAP(フォドマップ)食事療法
として、7頁にわたり記されました。
私、宇野は、日本の特許庁の正式な審査を経て、
日本での「低フォドマップ食」について、商品の販売だけではなく、
食餌療法による健康指導、栄養指導、
健康診断、医療情報の提供、
健康に関する知識の教授、
電子出版物の提供、
書籍の制作、
食品・飲食物の提供に関する情報の提供、等について、
日本国の特許庁から商標登録証を認定されております。
私は、この商標認定について権利だけではなく、正しく発信する義務を感じています。
そのため、今回の本の内容について、当該本の問題点を指摘します。
低フォドマップ食の適応
まず、低フォドマップ食について、その適応が当該本では過敏性腸症候群(IBS)に限定されていますが、これについて最近、重要な世界的変化がありました。昨年、世界の専門家によるRome IVで IBSの診断基準が変更されました。そして、これまで「腹痛、または、腹部不快感」という基準が「腹痛」のみとなりました。しかし、これまで低フォドマップ食が有効であったという研究の全ては、Rome IV以前のRome III基準でのIBS診断基準であったため、腹痛の存在が絶対条件とされるRome IVでの IBSの診断基準以外の患者にも有効であるということになります。それは、腹痛のない、腹部不快だけの機能性便秘、機能性下痢です。また、高発酵によるガスの影響のある機能性腹部膨満に対しても有効であることも自明の理です。さらに、潰瘍性大腸炎、クローン病の寛解期のみならず、軽度から中等度の活動期の症状改善、症状発症予防にも有効であることが報告されています。さらに、従来、高食物繊維食が有効とされた大腸憩室症に対しても、理論的に低フォドマップ食が有効であることについて、私自身論文で記し、イスラエル、米国、ヨーロッパの研究者の査読を受けて公開されました。以上から、低フォドマップ食の適応は、
過敏性腸症候群
機能性下痢
機能性便秘
機能性腹部膨満
潰瘍性大腸炎(寛解~中等度活動期)
クローン病(寛解~中等度活動期)
大腸憩室症
以上になります。
低フォドマップ食の方法
低フォドマップ食の期間については、3週間行う、4週間、6週間など著書によって異なっています。しかし、文献的に有効であると結論された研究では基本的に4週間です。確かに、1週間以内に症状が軽快する場合もありますが、腸内細菌叢の影響を排除するためには、4週から6週間が必要です。
そもそも、低フォドマップ食という食事療法は、単に、短期間で短期間の症状軽快だけを目指すのではなく、きちんと低フォドマップ食の導入期を行って、症状の消失を確認した上で、チャレンジ期で徐々に回避された食品の中で症状の有無を確認しながら、原因となる食品を特定してゆくというものです。導入期があまりに短すぎると、チャレンジ期で多くの食品でNGとなる可能性があるので、基本的に4週間以上が望ましいでしょう。
低フォドマップ食の原理と食品
高フォドマップのなかには、人間の腸管そのものに分解酵素が存在しないために消化酵素で分解されずに、大腸の細菌によって発酵する物質、また、消化酵素があってもその分解能力以上に摂取してしまうために過発酵を生じる物質があります。例えば、果糖はグルコースと一緒に小腸から吸収されるので、
「果糖」-「グルコース」が多い場合には、果糖が吸収されずに大腸で発酵します。欧米での果物で、あまり甘くない「果糖」-「グルコース」<0であっても、日本の甘い果物では、>0の可能性があります。つまり、欧米でOKとされる果物であっても日本ではNGの可能性が高いため、私は、その可能性ある食品は低フォドマップ導入期ではNGとして、チャレンジ期に試す必要があると考えています。当該本でOKとされている食品のなかで注意すべき例は以下です。
そば:十割蕎麦に限ります。それ以外では小麦粉が混入されています。
シリアル(米、オート麦):加工時にオリゴ糖混入の可能性。
枝豆:当推進会では高フォドマップです。
かぶ、ブロッコリー:多量は高フォドマップです。
マヨネーズ:種類によって高フォドマップ。スタンダードのキューピーはOK。
豆乳:代表的な高フォドマップです。
ソース類:多くは高フォドマップが混入されています。
豆腐:絹豆腐は高フォドマップです。
バナナ:シュガースポットがあるのものに限ります。
イチゴ:甘くないものは100gまで。
メロン:高フォドマップです。
ミカン:果糖が多い可能性があり、チャレンジ期に試す。
酵母:マンニトールの関係があり、チャレンジ期に試す。
以上。
医学博士:宇野
日本低フォドマップ食推進会
日本消化器病学会専門医(近畿支部評議員)
日本消化器内視鏡学会専門医
米国消化器内視鏡学会国際メンバー
日本内科学会認定医

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