低FODMAP食の新論文:果糖不耐症だけは事前に予測可能
Y Uno
乳製品の生産、消費の多いスイス、デンマークから、低FODMAP食の新しい論文が公開された。
この論文の特徴は、あえて、対象をIBSに限定しておらず、対象者を発酵性食品の不耐症による機能性胃腸障害としていることにある。何度も述べたが、2016年にRome IVでは腹痛がない場合はIBSとしない診断基準が採用された。そのため、これまでIBSとされていた患者であっても、腹痛がなければIBSではない機能性胃腸障害と判断される。その中の多くは、腹痛をさほど感じない下痢や便秘で、ガス症状を来している人であるが、それらの人に対しての低FODMAP食の有効率は8割であるとわかった。そして、それらのなかで、症状の原因が乳糖不耐なのか、果糖不耐なのか、区別することができるかが検討されたが、果糖不耐だけは予測できるとわかった。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Aliment+Pharmacol+Ther.+2017%3B45(8)%3A1094-1106.
Aliment Pharmacol Ther。 2017 Apr; 45(8):1094-1106。 doi:10.1111 /
apt.13978。 Epub 2017
Feb 24
タイトル:機能性胃腸障害および乳糖またはフルクトース不耐性を有する患者における低FODMAP食餌に対する応答の予測因子
Wilder-Smith CH1、Olesen SS2、Materna A1、Drewes AM2
著者情報
1:スイス、ベルン胃腸病グループ。
2:デンマーク、オールボルグ大学オールボルグ大学病院、消化器および肝臓病学科
抄録(要点のみ和訳)
背景:機能性胃腸障害(FGID)患者に対して、発酵性糖分の少ない食事(低FODMAP食)が広く普及してきた。しかし、その効果を事前に評価する方法は不明なままである。
目的:フルクトース(果糖)またはラクトース(乳糖)不耐性を有するFGID患者における低FODMAP食餌に対する有効な結果を予測する因子を同定し、それによって根底にある機構への洞察を得る。
方法:不耐症(陽性症状スコア)および吸収不良(水素またはメタン濃度の増加)を決定するために、FGID患者においてフルクトースおよびラクトース呼気検査を行った。フルクトースまたは乳糖不耐症の患者は低FODMAP食を摂取し、6〜8週間後に全体的な適切な症状緩和を評価され、食餌前の臨床症状および呼吸テスト結果との相関関係を評価した。
結果:低FODMAP食を完了した584人の患者の合計81%で症状が軽減した。単変量解析では、フルクトース不耐症(慢性下痢および皮膚そう痒、呼吸検査中のピークメタン濃度および満腹感)と、乳糖不耐症(呼吸検査中の水素ピークおよびメタン濃度および鼓腸)における予測因子が得られた。多変量解析では、慢性下痢によるフルクトース不耐症において、症状の軽減が予測できたが、乳糖不耐症のための独立した予測因子は判断できなかった。
結論:フルクトースまたは乳糖不耐性を有する機能性胃腸障害患者の大多数において、低FODMAP食で十分な全身症状緩和が達成された。満足のいく食事結果の独立した予測因子は、フルクトース不耐性患者においてのみ存在し、腸内宿主または微生物代謝における変化を示していた。
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