Clostridium cluster XIVaは悪玉か?善玉か?
腸内細菌の研究は、2010年以降、飛躍的に進歩したが、これまであまりに単純化された幼稚な妄想的商業理論に慣れてしまったため、理解が難しい。
つまり、これまでは、意図的に選んで培養した数種類の菌だけの物語が、培養ではなく、便の遺伝子分析によって、多種多様の細菌が存在することがわかり(未だ全貌はわかっていない)、菌の呼び名も変わってきた。また、その菌が、どこの門、属、種に属すのか、また、同じ属であっても、個々には性格が異なるので、簡単に言えば、政治家のようなもので、どこどこの党に属しても、派閥が違って、勉強会はどこに属して、さらにどの法案には賛成か、同じ苗字でも名前が違えば思想も違うなどのように、非常に複雑なのである。さらに政党のように名前まで変わってしまうこともある。
腸内細菌:
たとえば、Clostridium クラスター XIVaは、Clostridium coccoidesグループでは最も頻度が高く検出されるが、昔はLachospiraceaeと呼ばれていて、Firmicutesフィルミクテス門に属するが、ClostridiumクラスターXIとともに肥満に関与するとされる。
さて、このClostridium クラスター
XIVaは、ヒト腸管で酪酸を産生する菌株の多数が Clostridium subcluster XIVa に多く含まれているという研究報告もある。
酪酸butyrate は、人腸管で免疫機能を高める作用があるとされる一方、低レベルの炎症を誘発する因子としても認識されており、また、少量はいいが、大量では過敏性腸症候群によくないという説もある。
<参考>
宇野コラム:2016年10月21日
http://blog.livedoor.jp/yoshiharu333/archives/48011125.html
そして、このClostridium クラスター XIVaは、IBSで有意に増加しており、さらに低FODMAP食によって有意に低下することが確認されている。一方で、Clostridum クラスター XIVaに属するFusicatenibacter saccharivoransはマウスの潰瘍性大腸炎を改善するという報告もある。
以上から、今のところ、Clostridium クラスター XIVaは増加しすぎると、肥満とIBSを招くが、ある程度の酪酸の産生のためには必要だということであろう。
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