医療バラエティ問題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161021-00000370-oric-ent
オリコン 10月26日(水)8時40分配信
ニーズ高い“医療バラエティ”が減少してしまったワケ
10月17日に放送された『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)において、お笑いコンビのノンスタイル・井上裕介の心臓が「先天性二尖弁」であることが発覚。いつもはポジティブなイケメン勘違いキャラの井上だけに、視聴者へのインパクトも大きかった。こうした芸能人が健康診断を受けて不健康度をネタにするという、いわゆる“医療バラエティ”番組の数が最近は減少傾向にある。視聴者の病気への知識や早期発見への意識を高めるという意味でも、医療バラエティ番組には“よい効果”があると思われるのだが、なぜ減少傾向にあるのか?
近年はなかなか見ないバラエティ番組での“面白健康チェック”
この“医療バラエティ”の代表格とも言えるのが、『最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学』(テレビ朝日系)だ。“メディカル・ホラー・エンタテインメント”と称する同番組は、山田邦子の乳がんが発見されるなどの話題性もあり、視聴者の危機感や恐怖心を煽る番組構成で、2004年の放送開始以来、安定した視聴率を残していた。
また他局においても、同時期に『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)の番組内で「血液サラサラ選手権」(「血液ドロドロ選手権」もある)という、血液を医療器具に流して誰が一番早く通過するかを競う企画が人気となると、“血液サラサラ(ドロドロ)”は健康のバロメーターとして、世間でもちょっとした流行語になる。『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)や『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)でも、公開人間ドックで不健康王を決めたり、メタボ男性のリアルな健康状態をチェックするなど、バラエティ番組内の一企画として“健康志向”が取り入れられ、芸人が肛門から内視鏡カメラを入れて悶絶する…なんて場面もすっかり“定番化”したのである。
番組タイトルも変更、ねつ造発覚で規制強化
「医療バラエティブーム、健康番組ブームに暗い影を落とすことになったのが、2007年の『発掘!あるある大事典2』(フジテレビ系)問題です。同番組は、たけしさんの番組のように“このまま放っておくと大変なことになる”的な煽りではなく、“○○を食べると美容によい、健康によい”というポジティブな面に振った内容で人気が出ました。視聴率も好調で、放送翌日には、番組で取り上げた食品がスーパーで売り切れる事態も起きるほどでした。しかし2007年に、“納豆ダイエット”の根拠のデータがねつ造されたものだと発覚すると、翌週に番組は終了。その翌週には、同時間帯で5分間の謝罪特別放送が流されるまでに問題化されました」(バラエティ番組制作会社スタッフ)
そうした意味では、医療バラエティは、さらにきちんとしたデータの裏付けや綿密な取材、事実誤認のチェックなど、『あるある~』のような健康系番組に比べても、はるかに手間も労力もかかる番組だ。また、医療研究は日々進歩しているので、去年までの常識が今年の“非常識”となることもあり、信ぴょう性が薄かったり、ヘタをすれば誤報となってしまう可能性もあるジャンルなのだ。今年、各週刊誌が論争を繰り広げた「ガンは切るか切らないか」にしても、医者によって意見が正反対になることからもわかるように、番組としてはなかなか断定しにくい分野になってきたのは事実なのである。
「さらに言えば、危機感を煽りすぎるとBPO(放送倫理・番組向上機構)から注意を受けることもありますし、そうなれば番組自体の寿命が危うくなります。たけしさんの『本当は怖い家庭の医学』にしても、2010年には『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』にタイトル変更されてます。過度に恐怖心を煽らないように配慮したのかも知れません」(前出・スタッフ)
様々な功罪を経て、視聴者への影響力を考慮した良質なバラエティへ
要するに医療系の番組は、視聴者の関心も高いだけに影響力も大きく、労力もリスクもともなうということだ。今では、先の『みんなの家庭の医学』と『主治医が見つかる診療所』くらいしかレギュラー番組はなく、あとは教養バラエティ番組内の一企画として扱うことで過剰なイメージを避ける…というフォーマットが定番化しているようだ。一方、10月28日からは、恵俊彰司会の健康情報番組『その原因、Xにあり』(フジテレビ系)がスタートするという。腰痛や肩こり、ぽっこりお腹といった身近な悩みをテーマにするらしいが、やはり健康問題はいまだに視聴者の関心の的であるということだろう。
今ではほとんどの情報がネットで調べられる時代になったとはいえ、その膨大な情報量からの取捨選択は容易ではない。ましてや医療・健康関係ともなれば、危険で怪しいものがいくらでもある。ここはやはり、様々な功罪を経てきたとはいえ、テレビならではの良質なエンタテインメント・医療バラエティの出番ではないだろうか。今後も視聴者との適切な距離感を保つ工夫をしつつ、有益な情報を与え続けてもらいたい。
(以上、コピペ)
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<コメント>
医療バラエティは確かに視聴者のニーズがあるかもしれない。
しかし、ニーズが優先されると「ねつ造」を誘発する危険性があるのも事実である。私にもTV出演の経験があるが、すべて番組にはシナリオがあり、医師は番組の趣旨にのっとり、そのシナリオ(台本)のまま演じなければならなかった。番組時間内で納めるために、タイムテーブルは秒刻みである。
過去において、医療バラエティのねつ造が問題視されたケースがあるが、同じようなことは繰り返されてはいないか?
<資料>
「発掘あるある大事典」問題
1996~2007年までフジテレビ系列で放送。
<ねつ造問題>
・個人差でしかない結果の誇張。
・血糖測定時間の操作の疑い。
・採血した検体を検査せずにデータをねつ造。
・実際にしていない検査結果をねつ造。
・虚偽の写真や資料を使用。
・有効とする成分含有食品を何らかの食品に限定。
・専門家の話を誇張、ねつ造。
・「にがり」ダイエットを真似した視聴者で下痢の多発。
・紹介された商品が翌日に売り切れるが、番組内容を販売業者が事前に入手。
・痩せた人の写真に被験者と関係のない人の写真を使用。
・専門家への電話インタビューで本人ではない別人による演出。
・外国人専門家のテロップのねつ造。
・番組のテーマに合わせた偽データ作成。
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これまで、このコラムでは、医療バラエティの誤りを指摘してきたが、評価対象にもならないほどの、あまりにもレベルの低いものも少なくない。
一方で、いや、TVというのは、そもそも、そのようなもので、楽しければいいのだという気持ちもないわけではない。実際に、存在しない怪獣映画に、「そんなものいるわけがないではないか!」と目くじらをたてるほうが社会的にはおかしいかもしれない。
しかし、ここで思い出さねばならないのは、1938年の米国のラジオ放送の「オーソン・ウェルズ事件」である。
ラジオのSFドラマ番組で、
「大変です。みなさん、大変です。内部から何かが、何かが出てきました。怪物です。何かを持っています。拳銃のようなものです。光線のような物が出ています。近づいた人に当たり、炎があがりました」
「悲鳴です。炎が・・・車に燃え広がりました!!」
と放送したところ、120~130万人が信じ込んで、パニックを引き起こした。
http://enigma-calender.blogspot.jp/2014/04/space-war-panic.html
つまり、怪獣映画のような子供番組の「空想」や「非現実」は何らの問題もないが、
一般成人を対象とした便組に応用すれば、「虚偽」や「やらせ」であり、パニックを引き起こす可能性があり、許されないのかもしれない。(一方で、それによって、TVが全く面白くなくなってしまったということも事実である。)
また、一時期の「超能力」ブームは、偶然TVの生放送が放送してしまった「力ずくでスプーンを曲げるシーン」によって、すぐにブームが衰退したという事実もある。「医療バラエティ」の衰退の直接的な原因は、この「ねつ造超能力」に類似している。
しかし、そもそも、「医療」を娯楽番組の意味である「バラエティ」に取り入れること自体、
正しいのか?という原点を考える必要があろう。
私の個人的な意見としては、視聴者に誤解を与えないために、「医療バラエティ」ではなく、
「医療もどきバラエティ」と「もどき」と明記して放送するべきと思うのである。
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