直腸感受性低下(Rectal Hyposensitivity)による便秘

 

 

何らかの原因によって、直腸の感受性が低下して、

便が直腸に存在するにもかかわらず便意を感じないため、

直腸の便から水分が吸収されて、便が硬くなり、

さらに便が直腸に蓄積し、便秘のみならず、排便困難、さらに、詰まっている部位よりも奥の腸の圧力上昇により、腹部不快や腹痛、ガス症状を来すことがある。

 

次の写真は、慢性便秘を主訴とした患者である。

便意がない状態で、直腸に便が存在している。
 

 RH

直腸の幅は7㎝であり、それより奥の腸は、若干の過収縮の他に異常は見られない。
 

 RH2


この直腸感受性低下の場合、直腸からバルーンを挿入し、バルーンを膨らませて、どのレベルで便意を感じるのかという検査が行われる。

 

通常はバルーンの直径が4.5㎝で便意を感じるが、

直腸感受性低下で便意を感じるのは平均6.5㎝である。
 

 RH3図1

Rectal hyposensitivity: pathophysiological mechanisms.

Gladman MA, Aziz Q, Scott SM, Williams NS, Lunniss PJ.

Neurogastroenterol Motil. 2009 May;21(5):508-16

そして、直腸内に400g(ml)の便が存在しても、
自覚できないことが多い。


 RH4

このような直腸感受性低下の場合には、
便量を多くする食物繊維を摂取しても、基本的に便意を感じないため、
症状を悪化させる可能性がある。

また、この状態が改善しない状況では、
ガスを発生させる発酵食品や乳製品などの高FODMAP食によって、
症状を悪化させる危険がある。