いかに、メタゲノム解析をしたとしても、
糞便サンプルについて、基本を誤れば、結果も誤ることになります。
一度、誤った説を展開すると、つじつまを合わせる研究に追われることになります。
基本を整理しましょう。
まず、食中毒などの急性感染症では、病原体を経口摂取し、それが腸内で増加することにより、発病します。この場合の糞便サンプルには、病原体(病原菌、ウイルスなど)が混入しています。糞便サンプルは非常に重要な意味を持ちます。
しかし、慢性的に経過する疾患で、腸内フローラが変化している場合は、それが原因なのか?あるいは、発病した異常な状態での変化なのか?を見極めねばなりません。
そして、最も、重要なのは、便のサンプルは大腸の粘膜やその上を覆う粘液層と異なる可能性があるということです。
まず、便は大腸の部位によって性質(pH,硬度など)が異なります。
極端な話、人工肛門から得たサンプルは、大腸を通過して肛門から排泄される便と性質が異なります。
そして、粘膜から採取した組織の細菌叢と便の細菌層が異なっていることは、メタゲノム解析で分かっています。
1. Eckburg P., Bik E., Bernstein C.,
Purdom E., Dethlefsen L., Sargent M, et al. Diversity of the human
intestinal microbial flora. Science 2005; 308:1635-8;
PMID:15831718; http://dx.doi.org/10.1126/science.1110591
2. Momozawa Y., Deffontaine V., Louis
E., Medrano J.. Characterization of bacteria in biopsies of colon and
stools by high throughput sequencing of the V2 region of bacterial 16S rRNA
gene in human. PLoS One 2011; 6:e16952; PMID:21347324;
http://dx.doi.
3. Zoetendal E., von Wright A.,
Vilpponen-Salmela T., Ben-Amor K., Akkermans A., de Vos W.. Mucosa-associated
bacteria in the human gastrointestinal tract are uniformly distributed along
the colon and differ from the community recovered from feces. Appl Environ
Microbiol 2002; 68:3401-7;
4. Tang
MS, Poles J, Leung JM, Wolff MJ, Davenport M, Lee SC, Lim YA, Chua KH, Loke P,
Cho I. Inferred metagenomic comparison
of mucosal and fecal microbiota from individuals undergoing routine screening
colonoscopy reveals similar differences observed during active inflammation.
Gut Microbes. 2015;6(1):48-56.
実際に、炎症など不具合が生じているのは、粘液層から粘膜層です。
「糞、味噌」と言いますが、大事なのは味噌です。



コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。