最近の相談者Sさんの質問ですが、質問というよりは、明らかにディベートになっているように感じます。
そのSさんからの新しい質問にディベートとしてお答えします。
<質問>
ご多忙のところ、早速に、誠に丁寧なご回答、心より感謝申し上げます。
腸内細菌の考え方が全く変わりました。これまでの医師の方々のご指導では、とにかくガスが出て腸が張るのは悪玉菌過多が原因なので、善玉菌を摂って腸内環境をよくするようにということばかりを聞かされてきました。それで、よほど悪玉菌が多い、ひどい腸内細菌叢なのだと思っておりました。目から鱗とはこのことです。
何度もお手数おかけして大変恐縮なのですが、再度質問させていただきたく何卒よろしくお願い申し上げます。
?実は、PPIはこの2年くらいほとんど飲んでいません。
しかし、時々、何の理由もなく、みぞおちのあたりを中心に胃がシクシクと痛みだすことがあります。外から見てもみぞおちの下が硬く張っています。朝起きたら筋肉痛のような痛みが、胃のあたりに帯状に痛んだりします。特に空腹時にシクシク痛み、食後はもたれたり、何か上がってくるような、つかえた感じがします。胃がちゃぽちゃぽして、熱き感じがします。あまりに痛くて吐きそうになるので、病院に行くと、胃酸の出過ぎで胃が荒れているからだといわれて、PPIとセルベックスを処方されていました。本当のところは、どうであると思いますでしょうか。
確かに、オメプラールを飲むとしつこい痛みが軽減するので、医師の見立て通りなのだと思っていました。
?また、別の医師は、上記のような痛みは冷えて胃腸の動きが悪いからだということで、大建中湯などの漢方薬を処方されました。だから、大建中湯が緩下剤という感覚はありませんでした。このような症状は、腸内のガスが関係しているのでしょうか。
?腸にガスが溜まって張っているので、それが胃を圧迫して痛みが出るのだという医師もいて、胃と腸の症状には関連があるような気がします。
このようなときは、どのように対応したらよいのでしょうか。PPIやセルベックスを飲んでよいでしょうか。恐らく、病院に行けば、投薬されます。
?ツムラの大建中湯は乳糖が入っているそうなので、アレルギーの関係で飲めません。煎じるタイプのものでもよいでしょうか。
?FODMAPを意識しての食事を摂って1か月ほどになりますが、便秘状態になってしまいました。お腹のガスの状態は依然と変わらず張った状態なのですが、それは腸内に変化が起こっていると考えてもよいのでしょうか。すなわち、ガスを異常発生させるFODMAPやSIBOの菌が減ってきつつあるので、以前よりガスの発生が減少した結果、腸の動きが抑制され、便通が悪くなったということなのでしょうか。何らかの改善兆候と考えてもよいのでしょうか。
?便秘解消のため就寝前に水酸化マグネシウムを服用しているのですが、胃のPHを上げてしまうのでやめた方がよいでしょうか。
以上、何度も申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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質問1:実は、PPIはこの2年くらいほとんど飲んでいません。
しかし、時々、何の理由もなく、みぞおちのあたりを中心に胃がシクシクと痛みだすことがあります。外から見てもみぞおちの下が硬く張っています。朝起きたら筋肉痛のような痛みが、胃のあたりに帯状に痛んだりします。特に空腹時にシクシク痛み、食後はもたれたり、何か上がってくるような、つかえた感じがします。胃がちゃぽちゃぽして、熱き感じがします。あまりに痛くて吐きそうになるので、病院に行くと、胃酸の出過ぎで胃が荒れているからだといわれて、PPIとセルベックスを処方されていました。本当のところは、どうであると思いますでしょうか。
確かに、オメプラールを飲むとしつこい痛みが軽減するので、医師の見立て通りなのだと思っていました。
<反論・意見>
病院で胃酸が出過ぎなので、PPIを処方されたとありますが、通常、そのような症状であれば、胃の内視鏡をするはずです。胃の内視鏡検査で、胃潰瘍か?胃炎か?逆流性食道炎か?胆汁が胃に逆流しているのか?カンジダが食道にあるのか?それらの情報が最低限、必要です。
質問2:また、別の医師は、上記のような痛みは冷えて胃腸の動きが悪いからだということで、大建中湯などの漢方薬を処方されました。だから、大建中湯が緩下剤という感覚はありませんでした。このような症状は、腸内のガスが関係しているのでしょうか。
腸にガスが溜まって張っているので、それが胃を圧迫して痛みが出るのだという医師もいて、胃と腸の症状には関連があるような気がします。このようなときは、どのように対応したらよいのでしょうか。PPIやセルベックスを飲んでよいでしょうか。恐らく、病院に行けば、投薬されます。
<反論・意見>
上腹部痛と腸内ガスの関係についての質問と解釈しますが、実際には胃の内視鏡検査と、内視鏡検査を行う前の腹部レントゲン写真でのガスの量の情報があれば判断できるでしょう。胃酸過多の胃炎や食道炎の症状(胃のpHが下がっている状態)と、逆に胆汁が胃や食道に逆流する症状(胃のpHは上昇)は、症状だけでは区別が難しいので、やはり胃内視鏡を行う必要があります。内視鏡の吸引チューブから胃液を採取してリトマス紙でpHを測定すれば、おおよその胃のpHはわかります。

質問3:?ツムラの大建中湯は乳糖が入っているそうなので、アレルギーの関係で飲めません。煎じるタイプのものでもよいでしょうか。
<反論・意見>
たしか、牛乳アレルギーということだったはずですが、牛乳アレルギーは乳糖ではなく、カゼインが影響しています。つまり、論理的な矛盾があります。食物アレルギーはタンパク質によって生じますが、乳糖は蛋白ではありません。乳糖ではアレルギーではなく、不耐症を生じますが、実際に多くの人が症状を来す量は12.5g以上です。それほど処方されていたのであれば、実際に飲んだと思われますが、アレルギー症状はあったのでしょうか?全く飲まなかったのでしょうか?
質問4:?FODMAPを意識しての食事を摂って1か月ほどになりますが、便秘状態になってしまいました。お腹のガスの状態は依然と変わらず張った状態なのですが、それは腸内に変化が起こっていると考えてもよいのでしょうか。すなわち、ガスを異常発生させるFODMAPやSIBOの菌が減ってきつつあるので、以前よりガスの発生が減少した結果、腸の動きが抑制され、便通が悪くなったということなのでしょうか。何らかの改善兆候と考えてもよいのでしょうか。
<反論・意見>
FODMAPを意識しての食事というのは、きちんとした低FODMAP食ではないが、若干、FODMAPを減らした状態ということだと思いますが、その状態では、未だ、何かの高FODMAPが継続されている可能性もあります。お腹にガスがあって症状があるということと、ガスが減って便通が悪くなるということに矛盾があります。そのようなガス症状を来している場合は、日本の普通の医療機関では少なくとも、お腹のレントゲン写真を撮影します。また、実際にS状結腸が伸びているかについては、注腸造影で確かめる必要があります。

大腸が伸びきっている場合は、それが改善するまで年単位の時間を要します。
質問5:便秘解消のため就寝前に水酸化マグネシウムを服用しているのですが、胃のPHを上げてしまうのでやめた方がよいでしょうか。
<反論・意見>
これも、堂々巡りになりますが、まず、胃の情報が必要です。実際にpHが上がっていないのか?多くの場合、SIBOでは胃のpHが上がっていますが、実際に上がっているのか、胃酸過多なのかの鑑別は必要です。水酸化マグネシウムはpHが10ですが、それであっても飲んで便通が良いのであれば、どちらを優先すべきか考える必要があります。
以上のように答えると、以下のような質問がなされる可能性があります。
質問:つまり、きちんと内視鏡検査をして、胃のpHを測定しないと何も確かの事は言えないという事でしょうか?であれば、これまでの先生の意見は全くあてにならない、想像だという事でしょうか?そして、想像で話している先生が推進している低FODMAPというものは、きちんと病院で検査をしてから
始めるという事でしょうか?
それに対しての答えは、以下です。
回答:確かにそうかもしれません。しかし、ガスによる症状、便通異常、PPIの関与に話は限定されます。低FODMAP食は、ガス症状や浸透圧性下痢を抑制するものです。それで軽快しない場合も3割存在しますが、その原因にはさまざまな因子があり、推定は難しいでしょう。
私が低FODMAP食を推進している理由は、3割の無効集団ではなく、7割の有効集団です。消化器科を受診する半数以上がIBSといわれており、日本人の13.6%がIBSとすれば、1億2千万人x0.136=1600万人のうち、1000万人以上の症状を軽快できる可能性があるからです。


コメント
コメント一覧 (1)
先生のご回答に、これまで抱いていた疑問が解けていき、また、FODMAPに対して強く期待を抱くようになってしまいました。
これでやっとこの症状が治るのではないかと、これが最後の希望と思い、この治療法に過剰に期待を持ち過ぎてしまったのかもしれません。
見様見真似のFODMAPもどきでは効果も半減してしまうのではないかと思い、専門家の指導を仰ぎながら、不明瞭な個所をはっきり理解して、きちんと実践しなければと思い、ご厚意に甘えさせていただきました。
また、先生ほど長年の疑問に明確な回答をしてくださった方はおりませんでした。
長患いで心身ともに疲れ、一日も早く人並みの生活ができるようになり、家族を安心させたいという思いが強すぎて、見ず知らずの方に甘えすぎてしまいました。
FODMAPを意識して便秘気味になったのは、下痢気味だったことから考えると、もしかすると効果が出てきて、何かが変わったのではないかと勝手に良い方に考え期待してしまったのです。これからの実践において励みになるからです。
胃のことも、長年その関係性を指摘されてきており、このような胃の症状もFODMAPとの関連で治る可能性があれば、と短絡的に考えてしまいました。他意はありません。ディベートなど全くとんでもありません。FODMAPに反対するどころか、最後の希望と思っておりました。それで、もっと知りたくて、いろいろな疑問を質問させて頂いた次第です。非難や反論などという意図は、全くありません。決してディベートを挑んだわけではございません。何卒ご容赦下さい。
これまでの丁寧なご教示、誠にありがとうございました。
また、大変ご迷惑をお掛け致しまして、誠に申し訳ございませんでした。
最後になりましたが、これからもご活躍をお祈り申し上げます。
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