今回の論文の研究結果を述べます。
まず、ラクツロース水素呼気テスト(LHBT)と同じようにラクツロース10gを服用し、その前後のガス量を測定して比較してみました。
ガス量は、胃、小腸、大腸に分けてその総量を計算しました。
その結果、わかったことは以下でした。
1)胃のガスが90分以内に15%程度がピークを形成する。
2)小腸ガスは呼気テストのような90分以内のピークはない。
3)小腸ガスが増加するのは、IBSの14~21%程度である。
4)小腸ガスは2~5時間の間に増加する。
5)大腸ガスと小腸ガスともに4時間以内の増加よりも4~5時間の増加が著しい。
6)ラクツロース10gより13gの方がよりガスの増加が著しい。
7)ガスの増加のパターンから、大腸だけガスが増える(Lタイプ)、小腸だけのガスが増える(Sタイプ)、大腸と小腸ともに増える(Mタイプ)、これら3種類がある。
以上から以下が考察されます。
呼気テストの90分以内のピークは継時的ガス量から証明できない。そのピークは、胃のガスの影響もしくは、回腸で高い重炭酸イオン(hydrogencarbonate, HCO3−)の影響が考えられる。
HCO3-+H+→CO2↑+H2O
つまり、現在の呼気テストによるSIBOの診断は疑われる。
SIBOのガス症状は、SIBOのないIBSと同様に食後2~5時間後に生じる。つまり、水分の増加とともに即座に発酵してガスが増えるのではなく、ある程度の時間を要する。
SIBOはIBSの2割程度である。
FODMAPの研究からすれば、10gのラクツロース量は、ガス量や症状を誘発する十分な量ではないと考えられ、少なくとも13gのラクツロース量が必要である。(参考:ラクトースは12.5g、オリゴ糖12gなど)
ラクツロース13g服用前と5時間後のガスの比較(極端に言えば、5時間後だけ)によって、IBSかSIBOか、あるいはIBS+SIBOなのか、鑑別診断が出来る。
低FODMAP食の適応は、13gのラクツロースの5時間後のガス量と症状で決めることが出来る。
http://www.scirp.org/Journal/PaperInformation.aspx?PaperID=61111



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