日本のメタボ診断基準の問題について、このコラムで連載したのが2013年です。

その後、様々な研究報告がありました。

振り返ってみれば、このコラムの主張が正しかったと言えますが、

2013年のキーとなる記事について、

過激な文章を削除して、

再掲載します。


(古い記事なので、ネットの参考引用はすでに存在しないかもしれません。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2013年12月7日12時9分初回掲載


 


まず、以下は、ウエスト85cmと設定した理由についてみてみましょう。

以下が健康長寿ネットに掲載されている内容です。




内臓脂肪量をどのように判定するか
 内臓脂肪型肥満を判定するためには、内臓脂肪量の増加を検出できる方法が必要です。わが国では人間ドック等の機会を通じて、比較的多くの健常人に対して腹部CTが撮影されており、CTを活用した内臓脂肪型肥満の診断と検証が進められました。その結果、腹部CTで臍(へそ)の位置の断面像から内臓脂肪面積を算出すると、100cm2以上の場合にはそれ以下の場合より合併する疾患数が50%増加していることが明らかになり、100cm2以上を内臓脂肪の過剰蓄積と判断することが定められたのです。

○CTを使わない内臓脂肪の判定方法は?
 CT検査は一般の診療所や健診で簡単にできないことから、内臓脂肪面積100cm2に相当する腹囲、すなわち臍の高さで男性85cm、女性90cmをもってスクリーニング検査値と定められました(腹囲と内臓脂肪面積の相関:男性(6,191人)でr=0.82、女性(1,178人)でr=0.79、川崎ら.Arts and Science 53:1462-1466 )。このような定め方はCTをドックにも多くもちいている日本独自の方法であり、他の国の腹囲基準は、CTでの内臓脂肪面積との相関で定められたものはないので、各国の間で腹囲に対する考え方が異なるのです。


腹囲の測定法

 腹囲はメタボリックシンドローム判定の第一ステップであるため、できるだけ測定誤差が小さくなるように正確に測らねばなりません。立位で、息を軽く吐いた状態で、臍の高さで、しめつけずに測定するよう注意します。  

 注意すべき点は、腹囲の測定部位が欧米と日本では異なることです。日本では腹囲は臍の位置で測定するのがきまりですが、欧米では一番くびれているウェストラインで測定しています。女性ではとくにウエストのくびれがある高さと臍の位置を比較すると平均7cmの違いがあることから、腹囲の国際比較をするときには注意が必要です。

男性と女性の違い

 CT画像をみると、女性では皮下脂肪が多いために、同じ内臓脂肪面積でも腹囲は5cm大きな基準となっています。日本では女性のやせが問題となっており、いきすぎた減量メッセージを発信しないためにも、基準値を変更することに対して日本肥満学会は慎重な姿勢をとっているようです。



http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000003600/hpg000003595.htm

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




つまり、100cm2以上の内臓脂肪であれば、いろいろな病気が出てくるので、

100cm2以上の簡単な指標としてウエスト85cm以上を採用したということです。






この文中に出てくる論文(川崎ら.Arts and Science 53:1462-1466 )は、

日本語の論文です。

その著者は、日立総合病院の放射線科です。


系列会社の日立メディコが開発した自動計算ソフトを使って検討されています。

このソフトは、CT画像だけとれば、内臓脂肪、皮下脂肪、腹囲を自動的に計測するソフトです。

そのソフトを使用して横断面の内臓脂肪の面積と比較した結果が以下です。


ないぞうしぼう





集積が細い方がより関係が深いということです。

そして、BMIよりも、体脂肪率よりも、腹囲がもっとも内臓脂肪と一致するという結果だったということです。

たしかに、結果をみればそうだとわかります。


この論文を読んで、

何か、おかしいことに気が付きます。




CT検査での腹囲計測は、仰臥位で行っています。

しかし、現行の腹囲測定は立って計測しています。



つまり、


内臓脂肪の100cm2≒腹囲85cm


という関係を示すデータは、そもそも測定方法が全く異なるということです。

そして、仰臥位と立位では4cmほどの違いがあるという報告があります。

(産業衛生学雑誌 48(6), 241, 2006-11-20. http://ci.nii.ac.jp/naid/110004997887


つまり、証拠とされているデータと現行の腹囲測定は4cmの開きがあります。

簡単に言うと立位の方が、4,5cm太く測定されてしまうのです。

これまでのメタボ検診のためのデータは全て仰臥位85cmのデータだったわけで、

つまり、立位での89cmのデータということになります。


ですから、

まず、



「腹囲85cmではなく、

腹囲89cm以上」




とすべきです。